ナナ色Heart
第3章

動き始める時

次の日、あたしは山内君のマンションには寄らず、家を出てそのまま学校へと向かった。

朝ごはんを食べていなかったから、途中でコンビニに寄ったの。

「おい」

え?

コンビニに入ろうとしたところで、誰かに肩をポンと叩かれ、あたしは反射的に振り向いた。

「あっ!」

あの、金髪の彼だ!

「何もしない」

「……」

あたしが怯えた顔をしていたのか、彼は先にそう言ってから、気まずそうに眼をそらした。
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