お見合いの達人

4.婚活パーティの副産物

「信じられません!

 そいつ許せない!」

昨日の一部始終をミーコちゃんに報告すると、

怒り心頭だった。


「でもまあ。騙されかけただけだし、

 何の被害もなかったし」


「だって婚活パーティなんて、

 結婚したいってお嫁さんになりたいって女の子の夢ですよ?

 みんな真剣に参加するわけじゃないですか、

 そう言うの食い物にするとかあり得ませんよ。

 女の敵ですそいつ」


実際そうなんだけど、なんか、

 参加した自分がちょっと恥ずかしくなってきちゃうからやめてほしい。


「けど、あれですね、蓮沼さん来てくれてよかったですね。

 で、どうなんです?」


「え?」

「蓮沼さんですよ、送ってもらったんでしょ?店長のうちまで」

「え、ああ、うんそうなんだけど、

 玄関まで送ってくれて帰って行ったし……

 それに林さん狙いっぽい……」

「え?林さんて実行委員の千代ちゃん?」


「あ、そう、そう、彼女のために参加したって言ってた」


「千代ちゃんは無いですって、
 来月結婚するんですよ。

 お腹には6カ月の赤ちゃんもいるし」


「は?」

「ただ単に、参加をしてくれって頼まれただけじゃないですか?」


「そ。そうなのかなあ」

「もう、しっかりしてください店長!

 せっかくお金払って参加したんですからもととらなきゃ、

 あ、でも、賞金で十分お釣りきますね。

 10万稼いで来るとかほんとタダじゃ転びませんね店長さすがです」






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