お嬢様の秘密Ⅱ

親と友人

お母様のいらっしゃる病院を出て、すぐに実家へ戻った。


実家近くの風景はどこか懐かしく感じた。


「それはきっと失われなかったからよね………。」


リムジンを運転する雷也は気にしないでくれていた。


実家に着きすぐさまお母さんたちが出迎えてくれた。


「莉依紗!大丈夫?お帰りなさい………。」


珍しい………お父さんもいる。


家族仲は特に不仲ってわけじゃなく………どちらかといえば親バカかな。


「今日はね、お祖父様がいらっしゃっているのよ。あなたと会うのは久しぶりね。」


「え………。」


一瞬で顔が真っ青になった。


私はあの人が苦手で苦手で………


近寄せぬ威圧感に無意識に震えたこともある。


「莉依紗、違うわ。私の方じゃなくて辰彦さんの方よ。」


お母さんは困ったように私を見た。


「旦那様、奥様。中に入りましょう。………お嬢様には初めてお目にかかりますね。優斗の父。和人でございます。」


優斗………?


中に入り、とりあえず親に着いていった。


「お嬢様、国松のお父様ですよ。」


そうだったの………。


「初めまして、莉依紗です。いつも息子さんにはお世話になっております。」


「おやおや。さすがはあの二人のお子様。賢くていらっしゃいますな。」


私は曖昧な表情を浮かべてやり過ごした。

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