森田当麻の奇妙事件簿
第3章

索条痕の謎


1

案の定、現場に着く頃には雨が降りだしていた。

雨は豪雨と化す。

海は雨で波が激しく唸りをあげている。

「皆藤刑事」

「来たか。」

黄色の立ち入り禁止のテープを越えて、傘をさしていない当麻と優衣が入ってくる。

皆藤と富山は傘をさして、二人が来るのを待っていた。

「司法解剖の結果、ありがとうございました。皆藤刑事にしては、上出来です」

「余計な事は言わなくていいよ。それで?現場に来て何しようってんだ?」

皆藤が聞くと、当麻はそれに答えず、波打ち際に行く。
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