東京片恋専科。

ーー想太's side

何やらただならぬ気配を感じ、目を覚ました。


《ん…?身体が痛い…》


寝転がったまま自分の状態を確認する。


《そうだ、今日は床で寝てたんだ…》


ということは。客人がベッドに。
そう思い斜め上へ視線をやると、客人、もといただならぬ気配の主は、スマホ片手にまるで重い岩のように固まっていた。


そんな彼女を、寝転がったままぼーっと見ていたら、寝ぼけた頭の中が少しずつ冴えてきた。そして小石川さんは元カレとあーだこーだで帰れなくてうちに来たこと。そして半ば事故的になぜかキスをしてしまったことを思い出した。


突然恥ずかしさがこみ上げてきて。思わず手で口を覆いつつ起き上がった。が、相変わらず岩の人は岩のままで。


そんな岩…いや小石川さんを見ていたら、自分の中にいままで感じたことのない、変な使命感みたいなものが生まれるのを感じた。



《この子を守らねば》




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