*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~

・黒板消し子ちゃん

「……やんなぁ? ――て、聞いてる? おい! ……シィ?」


「へっ? ……あ。うん……」


いつものごとく、中庭で過ごす昼休み。

目の前でサトシが手を振って、不思議そうな顔して見てた。

今、オレの機嫌は最悪だった。


原因はアイツ。

――ユウ。



さっきまでいた食堂での会話を思い返していた。

いつも4人で集まっていたオレらの中に、最近では時々、ユウと、ユウのクラスの友達だという女子3人も加わるようになった。

ユウと一緒にお昼を食べることができるのは、もちろん大歓迎だった。


さっきまではね……。



―――――――
―――……


ユウはアイスコーヒーのストローが入っていた袋をクルクルと指に巻きつけながら、うれしそうに話し出した。


「浅野君と付き合うことになってん」


「ええっ?」
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