秘密の契約

遠慮

「日菜、大学はどうするの?」



よその大学を受験するのならこの夏は勉強で忙しいはず。



「わからない……」



正直な気持ちを言っていた。



「上都大には行きたくないのかな?」



「そんなんじゃない……」



千波くんのせいなのに……。



「夏休みの間に行きたい所はあるの?」



千波に聞かれて少し考えてから日菜は口を開いた。



「海に行きたい」



小さい頃、朝倉家と藤田家で海に旅行に行った事を思い出した。



「わかった 海に行こうか」



柔らかく微笑んだ千波だった。



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