何度でも恋に落ちる

6・君のすべて

「真弓、帯ってどうやって締めるの?」



夏も終わりに向かうある日のこと。


千夏は鏡の前に立って浴衣の帯と睨めっこをしていた。




「私が締めてあげるよ。千夏は案外不器用だよね」


「うるさいなぁ!真弓は変な所は器用だよね」


「何だとぉ!?」



真弓は笑いながら千夏の帯を結ぶ。


今日は駅前で夏祭りがあり、2人は翼と隼人とそのお祭りに行く約束をしていたのだった。




「はい、出来たよ」

「ありがとう。変な所ない?髪とか大丈夫?」



千夏はキョロキョロと浴衣を見渡す。




「大丈夫。十分可愛いよ。持田さんがメロメロになるくらい」

「やだ、もう。真弓ったら」



千夏は赤くなって真弓の肩を叩くと、下駄を履き真弓と共に家を出た。



駅に近付くにつれて人数が増えていく。


千夏と真弓ははぐれてしまわないように、腕を絡め駅を目指した。




駅に着くと既に到着していた隼人と翼が改札の前に立っていた。

2人に向かって真弓が叫ぶ。



「隼人〜♪持田さーん」



千夏達に気付いた翼と隼人は2人に駆け寄った。
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