何度でも恋に落ちる

3・嘘つきな声

冬休みもあっという間に終わり、千夏達は進級の為のテストに追われていた。




「千夏。私、この教科全くわかんないから教授の所行くけど、千夏も来る?」


「んーん。私はいいや。図書室で勉強してるよ」


「わかった。じゃあ終わったら図書室行くね」




真弓は千夏に手を振ると足早に教授の元へ向かった。



テスト期間中は翼のアパートには行かない事にしている千夏。




千夏が図書室に入ると、図書室には沢山の人が静かに勉強をしていた。


空いている席を探していると、見慣れた大きな背中を見つけた。




「翼!」



千夏が耳元で名前を呼ぶと翼は顔をあげた。




「ちー、どうしたの?図書室なんかに来て」

「勉強に決まってるでしょ。私、進級危ういからね」



千夏はそう言うと参考書とルーズリーフを机に広げた。




「…ねぇ。ちーは卒業したら何になるの?」

「私?…うーん、特に決めてないからOLとかかな」

「そっか。…じゃあさ俺に……」

「ん?」



千夏が翼を見ると、翼は首を振った。





この時、翼が言い掛けた言葉をちゃんと聞き返していればよかったと、千夏は後悔する事になる。
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