時のなかの赤い糸

わからない心



「大丈夫だよ」



原田が言うと、遥は下を向いてしまった。




(大丈夫じゃなかったら…
あたし、どうしよう…)




遥は目をギュッとつぶると、原田の大きな手が頭の上にのっかった。




「大丈夫。
あいつはこんなことで負けたりしねーよ」



原田の言葉がすごく遥の支えになった。




「綾野」



永倉の部屋のしょうじが開いて沖田が遥に手招きをした。



「ほら、もー大丈夫なんだよ」



原田が笑顔で言って遥の背中を人押しした。




「ありがとう!原田さん」



あの少女の笑顔は原田の心を和ませていた。



だけど、恋愛感情とかではなくて、ただその感情は名前ももたない感情だった。




< 33 / 506 >

この作品をシェア

pagetop