異能者達の宴~夢の競演特別編~

哲平

再び俺達は走り始める。

四門の言う雑木林は目の前だった。

一気に駆け込み。

「さてと」

四門が向き直る。

「ここならどんなに派手に暴れたって、誰にも気づかれる事はないわ」

一見すると何の変哲もないただの雑木林だが…魔術というのは随分と便利なものらしい。

「修内太、後方支援よろしく。黛は怪我人が出た時に、瞬間移動で安全圏に運んでやって」

「…その怪我人は…私が治す…ヒーリングは得意…」

ななみが四門の言葉に付け加える。

「…OK、じゃあ救護班はななみに任せるわ」

そこまで言って。

彼女は俺の顔を見る。

「炎を扱えるんですって?」

「ああ…パイロキネシス…お前の魔術とは違うがな」

「この際魔術でも超能力でもいいわ」

四門はやっと追いついてきた異形者を睨んだ。

「私と哲平で前衛を務める。貴方の火力に期待しているわよ?」

「…ああ」

俺は静かに頷いた。



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