異能者達の宴~夢の競演特別編~

まただ。

乙女はすぐにああやって安請け合いする。

結果、様々な困難を背負い、しなくてもいい苦労をする事になる。

俺が初めて知り合った頃から変わらない。

度が過ぎるほどのお人好しだ。

お陰でお目付け役の俺までも、厄介事に首を突っ込まざるを得なくなる。

「紅!」

乙女が叫んだ。

「哲平を止める!手を貸してくれ」

その言葉に。

「悪いがその役目は一人でやってくれ」

俺は魔槍を地面に突き立てた。

「何…?」

乙女が驚いたように俺の顔を見る。

「手を貸してはくれぬのか?」

「そうではない」

俺は闇の中、目を凝らした。

「少々気になる事があってな…それを見極めるまで、あの少年の気を引いてくれ」

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