平安物語【完】

*北方




―…そんなある日、いつものように尚仁様にお召し頂いて御寝所へ参上致しました。

ひとしきり尚仁様の愛をお受けした後で、珍しく溜め息をつかれて落ち着かないご様子が気にかかりました。


「…今日はお元気がなくていらっしゃいますね。」

それだけ申し上げると、苦笑なさって、

「すみません。

態度に出ていましたか…」

と仰いました。



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