月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐

相克の愛獄




『シルフィアちゃん。』


「……。」


仁が私を呼んだ



『そんなあからさまに避けなくても。』


仁がうしろめたそうに私を見つめる



「…ごめん…。」


『まぁ、ええねんて。
別に気にせぇへんで。』


「…ありがと。」


私はあれから仁を若干避けていた


いや、かなり避けていたかもしれない


無意識のうちに



どうして避けるかって?


仁の優しさに飲まれそうで


その優しさに縋りそうで



自分が怖いの






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