カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編

譲れない願い

カズキと、約束を交わしてから4日が過ぎる。

世間では、すっかり正月ムードも抜けているようだった。

来週になれば、冬休みも終わり学校が始まる。

しかし、今の私は…


もう、必要のない事なのかもしれない。


お腹の中に小さな命が居るのと同時に、私の体にも小さな変化が少しづつだけど現れ始めていた。


そう…悪阻だった。


いつもなら大好きな、炊き出す炊飯器の湯気の臭いや、酢飯の香。

今の私はたまらなく辛い臭いに変わってきていたようだ。

後少し…後少しだけ・・


どうか…誰にも気付かれませんように。








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