戦国遊戯
パズル

偶然と必然

幸村の屋敷に戻ってから、数週間がたった。戦国時代だにいるのだということを、忘れるくらい、違和感のない、平凡で平和な日々を送っていた。

幸村は、玲子の世界に興味があるようで、色んなことを聞いてくる。

「俺はいつか、しんかんせんとやらに乗るぞ!」

今、一番のお気に入りらしい。理由は、自分で馬に乗って移動するよりも速いから、ということらしい。

「飛行機は嫌なの?こっちの方が早いよ?」

「玲子よ。いくら俺が、お主の世界を知らぬとはいえ、そこまで阿呆ではないぞ?」

「??」

「鉄の塊が宙に浮く、まして、鳥のように、飛ぶわけがなかろう」


か、可愛い……


あまりにも真顔で言うので、思わず頭を撫でてしまった。

「玲子!若になにしてんだテメェ!」

怒声とともに、頭を小突かれた。

「いった!何よ、ただ頭を撫でただけじゃん」

頭を押さえながら振り向く。そこには、般若のような形相をした佐助と、呆れ顔のさくらがいた。
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