砂漠の王と拾われ花嫁

目覚め

タヒールは私利私欲に走った為に焦った行動を取った。



結果的にはラシッドの策略にはまったわけだが。



「もう何も心配はいらない お前が目を覚ましてくれる事だけがわたしの望みだ」



タヒールを罠にかける時、莉世のあれほど高かった熱は引いていた。



だが目を開ける事はなかった。



熱が高ければタヒールは部屋に入った時点で罠だと気づいただろう。



あの時の莉世は普通に眠っているようだった。



「早くお前の笑顔を見せてくれ・・・リセ」



ラシッドは莉世の額に口付けを落とすと部屋を出て行った。



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