俺のココ、あいてるけど。

コーヒー

 
◇未来side.*:・゚



チャリン!


「あっ、100円・・・・」


あれから何日か過ぎたお昼休み。

まだ体力的にも精神的にも慣れていないせいもあってか、ご飯を食べたあと、ものすごい眠気に襲われたあたしはコーヒーを飲もうとしていた。

でも、手が滑ってコロコロ・・・・。

結局、お財布に入っていた最後の100円玉は自販機の下に入ってしまった。


「1000円札なら・・・・」


そう思って覗いてみたけど、お財布の中は大きいお札。おまけに小銭は1円玉や5円玉ばかり。


「・・・・買えない」


自販機の下に逃げた100円玉を恨めしく思いながら、あたしは休憩室のもといた席に戻ろうとした。


すると───・・。


「長澤、何も買わないのか?」


後ろからそう声をかけられて、振り向くと・・・・。


「登坂さん・・・・す、すみません」


今、一番会いたくない人が目の前に立っていた。

涙を見られた次の日も、その次の日も、登坂さんはそのことに触てこなかったけど・・・・。
 

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