"あやまち"からはじめませんか?



『えっ!1年生ってさっき入学したばかりじゃ』


最初は驚かれた。

1年の入学式が終わった後に、生徒会に入りたいなんて言う1年生は過去に一度もいなかったからだ。


みんなが困っている中、結衣さんだけがこころよく受け入れてくれた。



『こんなに学校を思ってくれている人は初めて。

会長、私は1年生だから、とかそういうのは理由にしたくないです。

私が教えるのでこの子を入れてあげてもいいですか?』


結衣さんの強い言葉が、その時の生徒会長にも響き、俺は異例の速さで生徒会のメンバーとなった。


『一緒に仕事を覚えていきましょう?』

『はい』


本当は生徒会に惹かれたのではなく、アンタに惹かれたんだとはさすがに言えなかったが

生徒会に入ることになり、俺は結衣さんの働きぶり近くで見ることができた。



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