【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈改稿版〉


「透子。元気な赤ちゃん、産んでくれ」

「うん。……任せて」

 わたしたちの間に出来た小さな奇跡は、こうして今生まれてくる瞬間を待ち望んでいる。
 わたしたちはただ、その瞬間を赤ちゃんと一緒に待つだけ。焦らず、ゆっくりと……。

「そういや俺さ。子供の名前、もう候補決めたんだけど」

「え? もう、決めたの?」

 知らなかった。もう決めていたなんて……。
 いつの間に、決めてたの?

「ああ。二つあって、どっちにしようか迷ってる」

「知りたい。教えて?」

 知りたい気持ちを抑えつつ聞いてみたが、藍は焦らして「まだ迷ってるから、産まれたら教えてやる」と答えた。

「約束よ。産まれたら、聞かせてね」

「ああ、約束する」

 藍が決めたその赤ちゃんの名前を、今からとても楽しみにしている。
 わたしも藍に名前を決めてほしいから、藍の決めた名前に賛成したい。

「俺は、いい父親になれるかな」

「……なれるよ、藍なら。なるよ」

 藍はこの子にとっては、世界でたった一人だけのパパなんだから。
 この子が藍のことを世界一のパパと呼んでくれる日が、いつか来るかもしれないしね。
 わたしはその日まで、待つことにしようかな?この子の母として、見守っていく必要があるから。
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