【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈改稿版〉


 それからニ週間後ーーー。

「おめでとうございます、お母さん! 元気な男の子ですよ!」

「男の子……?」

 わたしは無事に、第一子の男の子を出産した。
 予定日よりも一週間も早く産まれてしまったけれど、それでもこうして大切な我が子に出会えたのが、奇跡だとさえ感じた。

「よく頑張りましたね、お母さん」

「っ……。ありがとうございますっ……」

 産まれた瞬間の我の子の鳴き声と、その産まれたての表情を見たら、涙が止まらなくなっていた。
 この子がわたしたちの赤ちゃん……。この子がわたしたちの天使なんだ。なんて、可愛いのだろうか。

「可愛い……っ」

「とても可愛いですよ。お母さんにそっくりですね」

 なんて言ってもらえるだけで嬉しくて、赤ちゃんを抱っこする時、妙に緊張して手が震えた。
 だけどその腕に抱いた瞬間に、愛おしさが溢れて思わず「あったかい……」と呟いていた。

 こうして産まれた我が子は、わたしたちにこれからたくさんの愛をもたらしてくれるに違いない。
 わたしたちはこれから、この子にたくさんの愛を注いであげるんだ。

「藍、お父さんになったんだよ」

「……まだ、父親になったっていう実感がない。 けど一つだけ感じるのは、奇跡が起きたってこと……だよな?」
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