こんなのアイ?





 マンションでブルーライトカット眼鏡を掛けた悠衣が

「もう終わったから克実も一緒にここで食事どうぞ…いろいろ気になるか?無理には誘うつもりはないが」

 と克実の性格を気づかいながらも誘ってくれる。克実はすぐに言った。

「愛実の生活空間だから問題ない…悪いな、おかしな言い方だろうが…」
「いや全く構わない。長い付き合いをしていくのに遠慮は無しだ、どうぞ」

 悠衣は眼鏡を外しながら

「愛実、作ってくれてたものとパスタで足りるからな。何もしなくていいぞ」

 私の頭をポンと叩き書斎に消えた。その後ろ姿に克実が呟いた。

「格好いいんだな、悠衣。やることがスマートだ…愛実が大事にしてもらえていて安心だ」
「うん、優しいよ…大切にしてもらってる」

 それから鍋に湯を沸かしながら、下準備していたアジフライとエビフライを揚げる。冷蔵庫からポテトサラダを出し、パスタを茹でる。オニオンスープを温め、パスタは悠衣が市販のバジルソースを混ぜジェノベーゼを作ってくれて完成だ。

「克実には食べ慣れたものばかりか?俺は愛実の料理を食べられるのが贅沢だと思うよ」
「確かに愛実の料理はうまい。このパスタもいける」
「悠衣が作ったの」

 ワインを飲みながら3人で食事を楽しみ、ほぼお腹が満たされたところで克実が悠衣に言った。

「愛実のマンションの件、紹介から立ち会いまでありがとうございました」
「どういたしまして。そんなに改まって礼を言われるほどの事はしていない。愛実のしたいようにほんの少し手を貸しただけだ」
< 193 / 196 >

この作品をシェア

pagetop