こんなのアイ?
eighth chapter




 クリスマス直前の土曜日に紗綾たちが誘ってくれていたパーティーという名の飲み会はこじんまりしたイタリアンレストランの2階を貸し切りにしてあるという。8名以上で貸し切りに出来る場所だそうで、紗綾とブレントが以前友達を一人ずつ連れて会った方たち、プラス私と一華。一華は結婚式後初めての外食だと楽しみにしているようだ。私が事前に聞いたのはその6人で知ってる人が3人いるので心強い。他は知らない人で合計何名かも知らないが、悠衣が仕事の会食で参加を断ったことは聞いた。

 ブレントがタクシーで迎えに来てくれたとき、うちには内祝いを届けに一華が来ていた。彼女はここから一緒に飲み会に行こうとしたらしい。なので、3人でレストランに向かい到着した時には紗綾と佳子(かこ)さん、岳人(たけと)さんがすでにいた。岳人さんはブレントの友達で、佳子さんは紗綾の前の職場の同期で先日4人で会った顔見知り同士だ。そしてすぐ腕を組んだ男女が現れ彼女たちは岳人さんの友達らしい。

 8名で余るほどの椅子とテーブルの数が置かれたスペースで部屋のサイドに料理が並べられていくスタイルで始まる飲み会は立食パーティーのようだ。まず人数分のグラスにシャンパンが注がれ岳人さんの

「今年も1年お疲れ様でした!今夜知り合った方、来年からもよろしく!メリークリスマス!」

 という乾杯の音頭で飲み会が開始だが、すぐ私の手からシャンパングラスが消えた。

「愛実、炭酸ダメだろ?シャンパンはいいの?」
「ダメ」
「これは僕が飲むからあっちで好きなの入れておいで」
「ありがとう、ブレント」
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