サイボーグ男と不器用女(2/10番外編追加)
古傷
何度か瞬きを繰り返した。


…夢なのかと、何度も考えた。


けれど、やっぱり、この状況は現実で…。



…どうして…?


私は確かに御影さんの胸の中にいる。


そして、ここは私の部屋のベッドの上だ。


まだ頭がうまく回ってない私に向けられている綺麗な顔。


寝起きとは思えないほど、爽やかなその顔付き。


「おはよう」


首を傾けると、さらさらと落ちていく黒髪。


背中を撫でるように動いた手のひらが、頬に当てられる。
< 241 / 573 >

この作品をシェア

pagetop