サイボーグ男と不器用女(2/10番外編追加)
再会
目を開いた時、私はベッドに横になっていた。



…ああ。


きっと、あのまま救急車で病院へ運ばれたんだ。


気怠い全身、眩しくて目を伏せたくなる室内灯。



きしっと椅子が軋むような音がして、横たわったままの状態で覗き込んで来た顔にゆっくり目を向ける。


…私はまた強く息を吸い込んだ。


「気がついた?」


御影さんだと思い込んでいた私の目に、少し長めの茶色い髪を流した人の姿が映る。


「驚いたよ。挨拶しに行ったら、救急車で運ばれるから…」


…挨拶?目を見開いたまま、しばらく凝視した。


「…滝さん」
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