2.9次元?サラトガーナの王妃になる私の運命の糸は何色なのか
ブルーの屋敷

「いくらでも話は聞きたいが、食事も取らないと。ここへ来たあと眠っていた時間から考えると空腹のはずだ」

そう言われるが眠気を感じているのもあって、もう十分だ。

「もうお腹がいっぱいです」
「それだけで?温かい飲み物を飲むか?紅茶はある」
「ミルクティーが飲みたいです」

すぐにセスが動いてくれたので、ありがとうと伝えてから

「ティムはお仕事に行ったりしなくていいのですか?時間がよくわかりませんけれど」

クリアネイビーの光沢ある詰襟学ランのような服を着たティムに聞いてみる。

「今が昼食にいい12時ごろだ。仕事はこの屋敷でほとんど出来る」
「そうですか…雨、止みそうですね」
「ああ、毎日降るが1、2時間だけで降り続きはしない。明るいままなのは雲が存在しないからだ」
「え…それなのに雨?」
「地球や回りの世界に影響されて、そうだな…飛んで来ているように降っているだけだ」

分かるようで分からない話だが、明るいままの雨というのはその後も美しい。しっとりとした庭を眺めながらいい香りに気づくと、セスがロイヤルブルーにゴールドの縁取りが見事なティーカップに紅茶を注いでいた。

「このお屋敷には綺麗なブルーが多いようですね」

二部屋と廊下しか見ていないが、そう感じる。

「ブルーは私のシンボルカラーだ」

シンボルカラー…パーソナルカラーのことかな?

「私の一番好きな色です。ブルーにもいろいろありますけれど、どれも好きです」
「ここにぴったりだな、ミィ。後で屋敷を案内する」

そう言ってもらったけれど、紅茶を飲み終えるとすぐにふわふわと眠くなる。

「ミィが起きたら何時でも食事を取らせろ。私の時間に合わせていては体がもたない」
「「かしこまりました、ティモテ様」」

ふわっと抱き上げられながら、遠くでそんな声が聞こえていた。
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