2.9次元?サラトガーナの王妃になる私の運命の糸は何色なのか
生活
「ティム…私は妻になるとか…そこまで先のことは分かりません」
「私が分かっているから問題ない」
ティムはそう言ってチュッと私の額にキスするのだが、少々会話が食い違っているようにも思う。
「えっ…と…分かりませんけれど、このお屋敷はとても気に入っています」
「それは良かった」
「あの日…一人ぼっちになった私をこんなに温かい場所へ連れて来て頂いたことにも感謝しています」
「遅かったくらいだが」
「それでも…私がティムやこのお屋敷の方のために出来ることをこれからやっていきたいです」
「ありがたいが、もう眠いんじゃないか?」
「…」
バレてる…ティムは大きな手を私の首筋に当て私を引き寄せるとコツンと額を合わせた。
「次に起きたら、ミィにお願いをするよ。ミィの知識を存分に使って欲しい」
「お役に立ちた…ぃ…」
「頼むよ、ミィ」
意識が遠ざかる感覚と共に唇に温もりを感じた気がする。
その眠りで私はここへ来てから初めての夢をみた。
もう現実にあったのかどうか定かでないくらい前、私が小さな時の記憶…お母さん、わたしのお父さんはどうしていないの?どこにいるの?…未唯のお父さんはちゃんといるわ。ただずっと遠いところに暮らしているのよ…飛行機ビュン?…飛行機でも行けないくらい遠くなの、ごめんなさいね…