2.9次元?サラトガーナの王妃になる私の運命の糸は何色なのか
交差

シャワーをして夕食を取る間に私の部屋のベッドは搬出され、壁際にガランと広いスペースが出来ていて言葉を失う。

「ここには何を置こうか、ミィ?」

立ちすくむ私を後ろからそっと抱きしめたティムが私の耳元で囁く。

「何でも欲しい物を置けばいい…明日、一緒に街へ行こうか?」
「街…街は興味があります」
「案内する。今夜私と交われば、ミィの眠気は解消されるから」
「…そっ、そうなのですか?」

交わると前もって言われると恥ずかしいことこの上ないのだが…

「食べ物で慣れるよりも確かだ。それで?ここの希望は?」
「あの…可能ならばですけど」
「可能だ」
「…私…まだ何も言ってない…」
「ミィの願いは全て叶える。何だ?」
「シンプルな…小さなものでいいのですけど…簡易的なキッチンがあれば嬉しいです。会社の給湯室くらいでいいんですけど…給湯室は説明が必要ですよね?」
「ミィ、いま思い浮かべてみて」
「…読むのですか?体力が必要なんでしょ?」
「ミィの口づけですぐに戻る。さあ…」

後ろから回した手で私の手を包み込んだティムは目を閉じたようだ。給湯室…えっと…小さなシンクとひとつのヒーターとポット…そして、カップが収納されているところ…

「小さなキッチン?」
「はい…セス達を呼ばなくてもお茶くらいなら淹れられると思うので…ホットケーキ…っと…パンケーキくらい焼けるとも思うのですが…ここに設置するのはダメですか?」
「見栄えがどうかとは思うが…プライベートな部屋だからミィが欲しければすぐに整える」
「お願いします、ティム」
「わかった…明日手配する。今は私を回復させてくれ…ミィ…ミィを愛するだけの体力を…」
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