2.9次元?サラトガーナの王妃になる私の運命の糸は何色なのか

「アル、おはようございます。ハインド、おはよう。今日はよろしくお願いしますね」

私がティムと厩舎に行くと、アルがハインドを連れ出すところだった。

「おはようございます、ティモテ様、ミィ様。ニルさんは?あっ、来ましたね。ニルさん、今日はどの馬ですか?」
「ミィ様が選んで下さいますか?ミィ様の散策のお供ですから」

そう言われティムを見ると、彼が小さく頷く。

「では…どの子もお出かけ出来る体調ですか?」
「はい、問題ありません」

アルの返事を聞きながら、皆の鼻先を撫でて挨拶する。

「今日はモンツにお願いしていいかな?」

駁毛のモンツを撫でながら聞くと

「いいですよ。モンツは穏やかで散策にぴったりです」

アルがハインドをティムに託して、モンツを外に出す。

「さあ、ミィ」

ティムに手を取られて意を決してぐいっとハインドに跨がると

「高い…ティム…ハインドって二人も乗っていいのでしょうか?」
「大男が二人は可哀想だが、私とミィの重さならどの馬でも問題ない」

ティムが後ろから私を囲い込むようにして言う。そしてゆっくりとお屋敷を離れて門の前で一旦止まると、ニルさんが先に門を出た。

そこに広がるのは石畳の道路で建物はライトグレーと白が多いようだ。その中にレンガ色が所々見える。ヨーロッパの主要国とは少し違う趣…どこに似ているのだろう?カラーを学ぶ延長で趣味のように世界中の風景は写真や映像をたくさん見たんだけれど…北欧とも違うし…チェコ…チェコが近いだろうか…

「車が走らない街って初めてです。音が違うし、明らかに空気がきれいなんでしょうね」
「車がないだけで時間がずいぶんとゆっくりだろう?それでも人は生きていける」
< 46 / 113 >

この作品をシェア

pagetop