カンパニュラ
chapter⑬

鈴が社会見学に行った翌日の日曜日。俺と鈴は2週間後の結婚式の最終打ち合わせのためにホテルにいた。

最終概算見積もり額が提示され、席次表やメニュー表、席札など印刷物の校正確認、当日のスケジュール確認をするという、重要だがつまらない打ち合わせだ。

その点、ウェディングドレス選びは結婚式よりも楽しかったと、自分で後々言いそうなほど楽しかった。

絶対に選ばないと鈴が言った、腕と背中のイリュージョンレースが特徴的な大胆なデザインのドレスも試着をすすめた。やましい気持ちではなく、彼女も知らない似合う1着かもしれないから…

そして、セクシー過ぎると鈴が言った、これ以上なくタイトなマーメイドラインのドレスの試着もすすめた。やましい気持ちではなく、彼女も知らない似合う1着かもしれないから…

結局それらは、俺のスマホのフォルダを彩るだけとなり、デコルテラインと裾まわりのカットワークがエレガントでクラシカルな美を放つAラインのウェディングドレスに決めた。

ただ、それを鈴も俺も気に入ったのにアイボリーかオフホワイトでしか作られていないという。そこで純白のドレスを同じデザインで鈴のサイズでオーダーメイドしてもらった。ドレスも何とか間に合い、家のリフォームも完了して、いよいよ…やっと俺は鈴と結婚出来る。
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