エリート警視正の溺愛包囲網〜クールな彼の甘やかな激情〜
三 優しく包んでくれる腕
火曜日から日曜日にかけて桜輔の家で過ごした咲良だったが、違和感はぴたりと消えた。
たとえば、昼休憩で外にランチに行くタイミングや帰宅時には誰かに見られている気がしていたのに、そういった気配がまったくなくなったのだ。
もともと毎日視線を感じていたわけではなかったが、週に二、三回はそういった感覚に包まれていた。けれど、今はそういった気配はない。
彼の家にいさせてもらったことによって、帰宅ルートが変わったり迎えに来てもらったりしているのもあるかもしれない。ただ、休憩時間にもなにも感じなくなったということは、やっぱり気のせいだったんだろうか。
「桜輔さん、私、今夜からは家に帰ろうと思うの」
「え?」
「ずっと視線を感じる気がしてたけど、やっぱり気のせいだったのかなって。あの日からはなにもないし、もし本当につけられてたんだとしたら、きっと仕事の休憩中とかひとりで帰るときにそう感じたと思うけど、最近はそういうのもないし……」
「でも、まだ数日だろ。もし本当に誰かにつけられてたなら現状では安心はできないし、ひとりになった途端に狙われる可能性は充分ある」
警察官である桜輔の言葉は、咲良を怯ませた。
彼の言う通り、そういう可能性は往々にしてあるだろう。気のせいだったという確証がない以上、安易に決めてしまわない方がいいというのもわかる。
一方で、咲良自身、少しずつ気疲れし始めている部分があった。
桜輔も咲良も互いに普段通りに仕事があるが、彼は朝早くからトレーニングに励んだあとで出勤する。時間が合えば、咲良の送迎までしてくれている。
桜輔と一緒にいれば不安に思うことはなく、些細な物音ひとつに過敏に反応することもなくなった。夜だって、彼のおかげで安心して眠れている。
ただ、それとは別に気を使ってしまうことが多々あるのも事実なのだ。
たとえば、昼休憩で外にランチに行くタイミングや帰宅時には誰かに見られている気がしていたのに、そういった気配がまったくなくなったのだ。
もともと毎日視線を感じていたわけではなかったが、週に二、三回はそういった感覚に包まれていた。けれど、今はそういった気配はない。
彼の家にいさせてもらったことによって、帰宅ルートが変わったり迎えに来てもらったりしているのもあるかもしれない。ただ、休憩時間にもなにも感じなくなったということは、やっぱり気のせいだったんだろうか。
「桜輔さん、私、今夜からは家に帰ろうと思うの」
「え?」
「ずっと視線を感じる気がしてたけど、やっぱり気のせいだったのかなって。あの日からはなにもないし、もし本当につけられてたんだとしたら、きっと仕事の休憩中とかひとりで帰るときにそう感じたと思うけど、最近はそういうのもないし……」
「でも、まだ数日だろ。もし本当に誰かにつけられてたなら現状では安心はできないし、ひとりになった途端に狙われる可能性は充分ある」
警察官である桜輔の言葉は、咲良を怯ませた。
彼の言う通り、そういう可能性は往々にしてあるだろう。気のせいだったという確証がない以上、安易に決めてしまわない方がいいというのもわかる。
一方で、咲良自身、少しずつ気疲れし始めている部分があった。
桜輔も咲良も互いに普段通りに仕事があるが、彼は朝早くからトレーニングに励んだあとで出勤する。時間が合えば、咲良の送迎までしてくれている。
桜輔と一緒にいれば不安に思うことはなく、些細な物音ひとつに過敏に反応することもなくなった。夜だって、彼のおかげで安心して眠れている。
ただ、それとは別に気を使ってしまうことが多々あるのも事実なのだ。