Fortunate Link―ツキの守り手―
「…なっ」
白石さんは呆然とその様を見つめ、驚きを隠せない様子。
そりゃそうだろうな。
「おい、シュン」
構わず、アカツキが俺に声を掛けてくる。
「帰るぞ」
「え」
「え、じゃねぇよ。勝手にサボりやがって。
おかげでこっちは昼を食い損ねたんだ。奢れ」
楽しそうな表情から一転、急に不機嫌そうな顔になって俺を睨みつける。
「は?何で奢らなきゃいけね…うぐっ!!」
俺の首をガシッと腕でロックし、そのまま引き摺っていく。
「ガタガタ言うな」
そのまま問答無用で入り口へと連れて行かれる。
何て横暴なんだ。
急に突入してきて、力づくで解決していきやがった、
…いや。
本当はまだ何も解決しちゃいない。
ふと後ろを見ると、いまだ唖然としている白石さんと目が合った。