クズとブスの恋愛事情。

スランプの風雷、ボコボコにされる。

ショウと桔梗は、桔梗の過去世の問題を無事解決して二人は意気揚々と学校へ行くと、あら、ビックリ!?

全身包帯ぐるぐる巻きの風雷の痛々しい姿があった。包帯で隠しきれない部分からは青痣や赤痣、腫れた頬や瞼が見える。まるで、試合で強敵と激戦を繰り広げ戦ってきた格闘家のようである。

それに驚いた結が


「…えっ!?どうしたんだ?もの凄く強い相手と取っ組み合いの喧嘩でもしてきたの??」

と、質問すると、風雷は都合悪そうに

「…そんな所だ。」

なんて、答えたのでみんなビックリ!?
何があって、誰と喧嘩したのか。何より

「…いや。いくら、大怪我したって君は回復魔道も得意なんだから、自分で治せるはずだよね?魔力だって、みなぎってるし魔道も封じられてる風でもない。
どうして、回復魔道も使わず痛いだろうに、わざわざ一般的な治療を受けたの?」

不思議そうに、桔梗が質問すると

「…ハナが…」

そう、小さく呟くと何か都合が悪い事でもあったのだろう。目線をはぐらかすとそれ以上何も言えずギュッと下唇を噛んでいた。

みんな、気になったが頑なに話そうとしないので問いただすのはやめて、早く怪我治るといいねといった労わる言葉をかけると普段通りの会話に戻っていった。

みんな、風雷の気持ちを察しあまりその手の話に触れないように気を使ったのだ。

だが、ここにそれを面白おかしく突いてくるクソヤローもいる。


『その怪我、ハナにボコられたんだろ?怪我の所々にハナの“気”を感じるよ。何が、どうなってそうなったの?』

こうも、人の心にズケズケと面白半分に入ってくる桔梗に風雷はイライラしながらも、コイツは答えるまでしつこい癖に短気だから二回以上同じ質問を無視するとブチ切れて桔梗の魔道で強制的に自白させられる。

…我が親友ながら性格が悪すぎる!そっとして置いてほしい時もお構い無しだから、こういう時のコイツは心の底から大嫌いだ。

と、苛立ちながらも桔梗の性格をよく知っているので、桔梗のテレパシーに本当は言いたくないけど仕方なくテレパシーで答えた。


『…どうしようもなく心が荒ぶって抑えきれなくて暴走して……ハナを襲った。』

『…は?襲ったって!ハナは、魔道なんて使えないしお前ヤりたい放題だったんじゃない?
好きで大切にしたい女性を傷つけるなんて、お前…本当に最低だね。避妊はした?望まない妊娠は悲しいだけだよ?…多分。
…あ!でも、ハナを襲ってめちゃくちゃにした罪悪感から、戒めに何かの方法で自分を傷付けて回復魔道を使わず痛い思いしてるって感じかな?そんなんじゃ、全然ハナの心の傷は塞がらないよ?』

『……いや、襲おうとして逆に返り討ちにされた。』


『……はああ?仮にもS級魔道士の君が、魔道を一切使えない、魔力もゼロのハナに返り討ち???
あり得ないでしょ。いくら、あの帝王が認める程に格闘技が強いからってあり得ない、あり得ない。
嘘をつくなら、もっとマシな嘘をつきなよ?』


『…嘘なんかじゃねーよ!ハナは“特殊”だ。自分の拳や脚一つで、魔道に打ち勝てる力を持っている。』

『……それって、マジな話?』

『…だから、それに興味を持った皇帝に引き抜かれて、幼少期から皇帝の特別訓練施設で特別な訓練を受けてきた。そして、僅か10才でその特殊な技術をものにし、それ以上に新たな技術まで身につけた化け物だぞ。あの人は…!』

『…うわ…、S級魔道士の魔道を武術で破るとか、本当に化け物じみてるね、ハナは。あのクソヤローが気に入る訳だ。
それじゃ、つまり君はむしゃくしゃした気持ちを愛するハナに性的にぶつけようと襲うも、逆に返り討ちにあったと。そして、ハナを襲った罰として数日間は回復魔道を使わず痛い思いしてろ!と、お説教をくらった感じかな?』


『………そうだよ…クソッ!!』


『……お前、よくそんな化け物好きになれるね。
人それぞれ、好みや趣味は違うけど…。そんな化け物を好きになるとかお前はかなりの物好きだね。』

「……ア"?テメー…何、調子こいた事言ってんだ、コラァ…ア"ァ"?」

「…え?なに?図星突かれてキレちゃったのかな?本性出まくってるよ、ヤンキー君。」


徐々にただならぬ険悪な雰囲気になっていく桔梗と風雷に、ショウはとてもハラハラしてしまい

「……え?急に、どうしたの?ケンカはダメだよ?」


と、心配そうに二人を交互に見た。そんなショウに桔梗は、繋いでる手を軽くニギニギして合図してきた。

「喧嘩なんかしないよ。ただ、治癒や回復魔道が使える筈の風雷がどうしてワザと怪我を治さないでいるのかなぁ〜ってね。気になるよね?」

そう言ってくる桔梗の顔は、まるで悪戯っ子のようだった。もちろん、そんな興味の湧く話題に好奇心旺盛なショウが飛びつかない訳などなかった。

目を輝かせて桔梗を見ている。


…きゅん!


そんな期待に満ちた顔で見られちゃったらねぇ?

と、桔梗はとっても愉快そうにニコーと笑みを浮かべると、ショウの頭の中に“ある映像”が流れ込んできた。



【それは学校の屋上で、桔梗の過去世をショウに見せている時まで遡る。】



桔梗の圧倒的な力と能力を目の当たりにした風雷は愕然とした。まるで、自分こそが一番の魔道士だとイキり、無謀にも宇宙に風雷一人が戦いを挑んでいる様なそんな羞恥に襲われた。

とても自信があり自慢の魔道。

それが、桔梗のとんでもない魔道を目の当たりにして、風雷はプライドも今までの努力も全てガラガラと音を立てて崩れていった。

……今までの俺の努力は何だったんだ!!?

やるせない気持ちで、怒り何かショックなのかもうよく分からない負の感情が風雷を一気に襲って来て、ムシャクシャしてどうしようもない気持ちに心は蝕まれ

その気持ちをどうやって発散させたらいいのか分からず、誰も居ない異空間で頭を抱えてめちゃくちゃに叫んだ。叫んで叫んで、それでも増幅し続ける負の感情。

負の感情により、どんどん思い出される嫌な過去や…現在進行形で上手くいってない恋愛。
ハナをその気にさせようと熱烈な愛の告白と猛烈なセクシーアピールをしてるが、手ごたえこそあれどハナは一向に自分に靡いてなどくれない。

ハナも自分の事を好きだと風雷は確信しているが、何故か恋人になってくれない。恋愛の話になると無理矢理に話を変えてこようとする。

どうして、まともに恋愛の話をしてくれないのかと聞いた事もあったが、糸目の細い目をキョドらせてオッチャラケてまともな話もできない。

そんな事を考えていると頭の中は、桔梗からハナでいっぱいになりムシャクシャもハナに方向転換してしまっていた。


…もう、いい加減にしろ!

こっちが、毎回毎回真剣にアピールして心の底から感じてるハナへの気持ちを伝えてるのに、それをオッチャラケて逃げやがって!

…一回や二回ならまだしも、それがこの5年間ほぼ毎日だぜ!?

それを繰り返して、毎日のように蛇の生殺し喰らってるコッチの気持ち考えた事あんのかよ!あの、脳筋ゴリラ女!!?

いい加減、もう腹立った!

…何が何でも俺の女にしてやる!!


心のボルテージがキャパオーバーして、狂人となってしまった風雷は学校帰りのハナを自分の作った小さな異空間へ拉致した。


「…あれ?…変な空間だね?ここは、どこなんだい?風雷…ん???風雷?」

風雷によって拉致されたハナが困惑するのも無理はない。

だって、いつの間にか風雷によってマットの様な柔らかい床に組み敷かれ、両手首を押さえつけられた状態だったのだから驚くのも無理がない。


ハナの直ぐ目の前には、何やら複雑そうに顔を歪めてる綺麗な顔があった。


こんな時ではあるが、どうしてコイツはこうも綺麗なんだろうなぁ

今さらだけど、本当に自分と同じ人間かと疑っちまうくらい綺麗だな

と、ハナは風雷の美貌に迂闊にも見惚れてしまった。

しかし、一体何があったんだと口を開こうとしたハナは驚いた。だって、声が出ない!
その事におかしく思ったハナは、体を動かそうと試みるも指一本動かせない。まるで、金縛にでもあった気分だ。

風雷の様子を見る限りでも、これは体を動けなくする魔道を使ったのだろう。

こんな事をして、何がしたいのかと不思議に思っていたハナの顔に綺麗な顔が迫ってくる。


…ドッキドッキドッキ!

…え!?

と、思っている間に


…むちゅ〜〜〜!

ハナの分厚い唇に、風雷の薄くて美しい唇が不器用に重なってきた。それに、更に驚き硬直するハナをいい事に風雷はハナの口の中に舌を入れてきてハナの口の中をいじめてきた。

何が起きてるのか理解出来ていても、理解できない…理解したくなかった。だって…


“ 違う ”


その間にも、ハナの制服の中に手を忍ばせてきてハナの肌を確かめるように弄りその手は徐々に胸へと伸びていった。


……ゾッ!!?


“コイツ”は、一体誰なんだ?

ハナは、いつもと全く様子も違う風雷に徐々に恐怖を感じてきた。

いつもの風雷なら、セクシーアピールや告白で猛アプローチを仕掛けてはハナが

“こんな自分には恋愛や結婚なんて無縁だと、心の中に頑丈な檻に鎖で何重にも重ねた鍵を掛けてハナの中にある女の子を無理矢理閉じ込めている。
それなのに、風雷は頑丈にできた沢山の鍵を難なく開けて、檻の中の女の子に【大丈夫だよ】と優しく手を差し伸べてくれるから

うっかり風雷に惚れてしまった。

幼い頃からずっとハナの容姿と性格から恋愛の話になると酷い中傷誹謗、陰口などが勝手に耳に入ってくるし、ハナに向かって直接容姿などについて嘲笑ってくる者、街を歩いても見知らぬ相手から指を指され“あり得ない”と、笑われる始末。

もし、全身整形して美人になったとしても、恋愛に対して人間の汚い部分しか見てこなかったハナは絶対に恋愛などしないだろう。それくらいに、恋愛に対して

“所詮、容姿だろ?”

と、恋愛を諦めきっていたというのに。

だから、恋愛沙汰には無縁だし自分には関係ないから無関心でいようって、強く強く心に誓ったというのに。


ハナの前に予想外のビックリ人間が現れたのだ。


それが、風雷だった。


出会いやら何やらは、今は割愛するが

色々あって、当時ハナが12才だった頃、10才の風雷に何故か愛の告白をされた。もちろん、断ったが。

その時、“風雷は絶対に振り向かせて見せるから。覚悟しといてね。”なんて、10才らしからぬ色気を出しながら宣戦布告してきた。

当時、“何言ってるんだか。”“何かの罰ゲームか?”“どうせ、直ぐ飽きるだろう。”と、鷹を括っていたハナだったが

それからの風雷のアプローチは凄かった。

もう、心臓がもたないくらいドキドキするわ、体はふわふわ雲の上にいるかの様に浮き立つわな熱ってくるわ。風雷の綺麗な美貌に加えてのセクシーアピールは鼻血もんなくらい凄過ぎる。心と体が持たない。

いつか、自分の我慢が効かなくなって風雷を襲って、お婿さんに行けない体にしちゃうんじゃないかと自分の理性が持つか心配になるほど、とにかく風雷の誘惑はとんでもないものだ。

だけど、ハナが嫌がる事は一切しない。

いつだって、強引に見せかけてハナが許してくれるを見計らい、ハナの気持ちに寄り添って少しずつ少しずつ根気強くハナを女の子として接してくれた。

誰もハナを女の子として見てくれないし、女の子として接してくれる人なんていなかったから

風雷が、ハナの事をまるで可憐でか弱い女の子のように接してくるもんだから、ハナは戸惑うしかない。


まるで、私が普通の女の子みたいじゃないか!

…普通の女の子どころか、……小っ恥ずかしくて考えたくもないけど…お姫様扱いみたいな?

いやいや、ゴリラ男って言われてる自分をお姫様…ないないない!!!なに、考えてやがんだ、アイツは!

……ドキドキ!

……本当に…こんなゴリラと…キラキラした綺麗な男がさ…あり得ないだろ…

けど、風雷の性格をよく知っているつもりだからね。…堅物で頑固な風雷が揶揄ってくるのはそれこそない。

だから、本気なんだって痛い程伝わってくるし……私だって……


けど、こんな私と付き合いでもしたら不幸になるのは風雷なんだ

私と一緒に居るだけで、面白おかしいネタにされたり馬鹿にされたり…そんな風雷の姿を想像しただけで、あまりに不憫で可哀想で居た堪れない…心苦しい…

それに、もしエッチしようとゴリラな私の裸見たら幻滅するだろうよ

風雷には風雷に見合った、素晴らしい女性が見つかる筈だ


…今は、物珍しい私を好きだと勘違いしてる一時の迷いってやつなんだろう

きっと、時間が解決してくれるさ


それから、3年もの月日が流れるが風雷の気持ちは変わらずむしろ、告白もセクシーアピールもレベルアップしてハナはクラクラしている。


だけど、今、欲のままにハナに貪り付いている猛獣は…明らかに、いつもの風雷からかけ離れ過ぎていて別人のように思えた。


そこで、ハナは初めて“女”として“怖い”という恐怖を味わっていた。

風雷は天才肌なので、やらせれば何でも一流にこなしてしまうせいか恐怖を感じ強張ってる筈のハナの体が快楽でピクピク動いてしまうし、運動もしてないのに息も上がってくる。

…挙げ句、出したくもないのに、自分からは考えられない気持ち悪い声が出てしまう。
どんな抑えようとしても、風雷の魔道で金縛状態…いや、そんな術使わなくてもこんな風にされたら恐怖で体は硬直し声も出せなくなってしまう。

出せるのは、出したくもない快楽の声だけだ。…最悪だ、最悪にも程がある!!


そこで考えるのが、強姦などそういった類の犯罪だ。

私の場合は、好きな人に組み敷かれてるからまだマシだ。それでも、両思いとはいえまだ恋人にもなってない。私の心の覚悟もないのに無理矢理、強引に強要してくるだけでもこんなに怖いんだ。

なら、見知らぬ相手から無理矢理…好きでもない相手から無理矢理…まして……色々あるけど

性の被害者達は、私なんかとは比べ物にならない程の恐怖と屈辱、喪失感……他にも酷く傷付き一生消えない深い深い傷として残り続ける


…悔しいな…!

何で、そんな酷い事ができちまうのか


なんか、そう考えたらムカついてきたよ!

と、ハナは恐怖より怒りのボルテージが遥かに上回り

なんと…


「……グッ…!…こ…のっ!!私が魔道使えないからって、見くびってんじゃないよーーーーーッッッ!!!!!」

喋れる筈のないハナが、声を出し風雷が(…馬鹿なっ!?)と、驚くと同時に


……ゴッ!!!!

と、一瞬頭が真っ白になる程の衝撃が右頬を貫いてきて、気がつけばその威力で風雷は強く地面を叩きつける様に何回転も転がり、ようやく魔道の力で威力を殺して立ち止まった頃に全身の骨が砕けだのではないかというほどの激痛が風雷を襲った。

…一発殴られただけなのに、これはヤバイ…!

急いで回復魔道を使いたいが、あまりの激痛に呼吸もままならなく呻き声をあげ痛みに耐えるのがやっとで魔道を使うどころではなかった。

あまりの激痛で、余計な事も考えられずただ(痛い、誰か…誰か…!)としか考えられなかった。

そんな風雷は、何者かにムンズと頭を掴まれるとその驚異的な腕力で風雷の体は簡単に宙に浮き

風雷を持ち上げた化け物は、不敵な笑みを浮かべ


「何があったか、分からないけどね。私は怒ってるんだよ。」

そう言って、ハナは風雷を宙に持ち上げたまま先程よりも大分力を抑え真顔で風雷の両方をビンタしまくった。そして、最後に風雷の綺麗な顔を真正面からグーで殴るとその勢いで風雷は地面に倒れた。

すかさず、ハナは風雷の上に馬乗りになり冷たい視線で風雷を見下ろした。


「…あ〜あ、私に殴られて綺麗な顔も台無しだねぇ。」

そう言って、風雷の制服を掴むと勢いよくビリッ!ビリビリ、ビリーーーッッッ!!と、風雷の制服を破ってきたのだ。

それには、風雷も驚きを隠せないようで大きく目を見開いていたが、何を言うでもなく驚いた表情のままハナを見ていた。


「あはは!ビックリしたかい?今から、何されるか分かるかい?」

そう言って、ハナは意地悪そうな笑みを浮かべたまま、かなり手間取っていたが片方の手で風雷のズボンのベルトを外しチャックまで下ろすと下着の上から風雷のふうらい君をギュッと掴んできたのだ。

握られた風雷もビックリしていたが、何故か握った方のハナまでも驚いた表情をしていた。


「……こんな状況なのに、何でこんなに元気なんだい?恐怖で体がおかしくなっちまったのかな?」

ハナは、とりあえずそういう考えにいたった。だって、ハナが風雷のふうらい君を触ったらビクンと反応して小刻みにフルフルと震えてるように感じたから。
しかし、こんなにも“これ”は熱いものなんだなぁとビックリしたし布越しではあるが、今まで触った事のない感触に驚いていた。

うっかり、性的にドキドキして本来の目的を忘れそうになってしまう。

気を取り直して、ハナは風雷の両手首を地面に押し付けると風雷の顔に自分の顔をグイッと近づけた。そこから、顔ごと視線を逸らす風雷にハナは恐怖でハナの顔も見れないのだろうと予想を立てていた。


だが、こんなんじゃ足りない

被害者の気持ちをギリギリの所まで体験してもらうよ!

そして、これに懲りたら自分の過ちを猛省し被害者達の心にも寄り添える心を持ってほしい

という、気持ちを込めながらハナは風雷の体を少しでもどうこうしちまったら可哀想だ。服を破いて恐怖心を与えてからパンツ越しに…申し訳ないが、脅しで風雷のアソコを握らせてもらって

…それ以上したら酷いから、まあ、私の事を諦めてもらうって形で…幻滅されるのは悲しいし流石に傷付くが…

こうでもしなきゃ、私へしようとした事の恐ろしさも分からないままだろう。これは、本当に猛省してほしい

そして、これから私がしようとしてる事で私に幻滅して、恋愛も正気に戻るだろう。いい機会だ

……屈辱的だし恥ずかしいが、そうも言ってられない!

…まあ、そのせいで風雷に嫌われちまうだろうが、風雷の将来を考えればその方がいい。風雷には幸せになってほしいんだ

…だって、お前は…


と、嫌われる覚悟でハナは、風雷に馬乗りになったまま豪快に服を脱ぎ始めた。


「……えっ!?…ハ、ハナ???」

それには、いつもクールな風雷も驚きの声をあげ豪快に服を脱いでいくハナを食い入る様に見ていた。


…はは。驚きすぎて硬直しちゃったのかい?

さぞかし、気持ち悪いと思っているだろうとハナは自傷しながらスッポンポンになり


「あはは。どうだい?これから、犯される気分は?」

と、笑いながら、風雷の顔にメロンのように大きいおっぱいを風雷の顔に押し付けてきた。

ハナの柔らかくも弾力のあるおっぱいで苦しいのか、おっぱいに「…ハア、ハア…!」と、息の上がる風雷の苦しそうな呼吸が聞こえる。途中、ゴキュリと大きく唾を飲み込む音も聞こえ、流石に胸で圧迫し過ぎたかとこれ以上息が吸えないと大変だと思い風雷の顔から胸を遠ざけた。

すると

「……あっ……!」

何故か、名残惜しそうな声と同時に何故か少し口を開きその隙間から舌先が見えた気がした。
だが、それよりも陶器のように白く綺麗な風雷の肌が、茹蛸のように首や胸元までも真っ赤になっている事に驚いた。

…そんなに、苦しかったのかい?

なら、抵抗したり怒ってくれたら良かったのに

そう思いながらも、ハナは自分の思いつく限りの最終手段に入った。


ぶっちゃけ、本当にやりたくなかったが…致し方ない!!今は、悪者に徹しなきゃな!と、ハナは羞恥を捨てて

風雷の顔の前に膝をつき、ハナのはなちゃんとその後ろにあるはなちゃんのつぼみを丸出しに見せ

くせ〜し、気持ち悪いだろうなぁ〜。何より、私もこんな事して恥ずかしいわ、スッゲー嫌だけどな

少し、我慢してくれよ〜

と、ハナほ心の中で申し訳なく謝りつつ


「…なあ、舐めておくれよ。早く、風雷の“それ”を私の中にぶっ込んで気持ち良くなりたいんだからさ。」

そう言って、罪悪感と羞恥に耐えながらハナは、ゆっくりと自分の大事な所を風雷の顔に近づけていった。

早く、抵抗してくれ!

嫌がって逃げてくれ!!

いつでも、逃げ出せるように隙をいっぱい作ってるんだからさ

徐々に、風雷の顔にハナのはなちゃんが近いていくが、風雷は抵抗も逃げる気配すらない。


…あれ?おかしいな?

…まさかとか思うが、私の股が臭過ぎて失神してしまったのかな?

んー?私のアソコがグロすぎて失神???


だけど、風雷の顔にかなり近いた時


…ピクンッ!

「…あっ…」

風雷の荒々しい呼吸の息がハナのはなちゃんに吹きかかり、思わずハナの体が反応しちょっと変な声も出てしまった。

…ヤベ!近づき過ぎた!!

ここでストップして、脅しの言葉を掛けなきゃなと考えていた時だった。


……ガッ!!?

「……え?」

ハナの鍛え上げれてた太ももをがっしり掴む手と


「…誘惑してきたのは、そっちの方だからな。」

言葉を発するのも苦しそうに息の上がっている風雷の声が聞こえたかと思うと、ハナのはなちゃんに何か得体の知れないものが触れてきて……


「……え?…あっ…ちょっと、え???…あ、あ、んっ…んん〜〜〜〜〜ッッッ!!!!??」


…………………………

……………………

………


ハナがハッと気がついた時には、ハナは風雷の首を片手で持ち上げていて風雷は気を失いグッタリとしていた。

その風雷の姿を見て、ハナはサーーー…と血の気が引いた。


…ヤベー…

キレてたとはいえ、やり過ぎちまった…!


ハナは慌てて風雷の首から手を離しお姫様抱っこをして、風雷の異空間からの抜け道をハナの野生的直感で見つけ出しそこに向かって渾身の力を込めてパンチした。

すると


バッリーーーーーンッッッ!!!

と、ガラスが割れるような音と共に空間は崩れ消え、そこを見れば見覚えのある風雷の部屋があった。
そして、風雷のベットへと風雷を寝かせ改めて風雷の姿を見れば…

ハナによってボコボコにされ青痣やら瞼も赤く腫れ上がっていたりで、あの綺麗な顔も体も無残なまでに見る影もないくらいの重傷を負っていた。
おそらく、あちこち骨折もしているだろう。腕や指、足など変な方向を向いている。

そして、首にはくっきりとハナの手型が痛々しくも残っている。

やり過ぎたでは済まされない程の重傷。


……ゾォォ…


これを自分が?

今は、そんな事は言ってられない!

まずは、風雷の生死の確認と城の医療班を呼ばなければ!

そして、リュウキへの報告。


………………………

………………

………


医療班が、到着し風雷の姿を見た時には


「…こ、これは酷い!酷すぎる!!」

と、言った声と共に、緊急で応急処置の魔道をしてから城の医療室へと搬送されていった。

もちろん、素っ裸のハナは服を着るよう促され犯罪を疑われる兵士に行われる尋問を受ける事となる。

そこで、ハナは


「なんか、ムカついてボコボコにしちまった。」

の一点張りで、ハナが素っ裸だった理由を聞かれると

「…う〜ん、風雷があまりにエロくてムラムラしたから襲っちまった。」

何とも、点と点が結び付かない事ばかり言うので、とりあえずハナは白黒ハッキリするまで留置所で反省する事となった。
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