花とリフレイン —春愁切愛婚礼譚—
***
「木花、なーんか最近元気じゃん!」
一緒に出かけた美術館の帰りに立ち寄ったカフェで、香奈に言われる。
「こんなに課題にテストに忙しいのに」
今日もレポート課題の美術展鑑賞だ。
「春櫂先生といい感じなんだ?」
カフェラテのカップを口に運びながらコクッと頷く。
櫂李さんは、ここのところ大学の授業が無い日はまたアトリエに籠っている。
没頭して何かを描いているのかな、とは思っているけどこちらから聞くことはしていない。
描き終えたらきっとまた見せてくれる、それまで楽しみに待っていようって思えるから。
あの日、初めてお互いの気持ちの深い部分を吐き出し合ってから信頼感が高まって絆が強くなった気がする。
「最近だんだん夫婦って実感が湧いてきたみたい」
私の言葉を、香奈はカプチーノを飲みながら聞く。
「木花、どんどんきれいになってるもんね〜」
「え?」
「人妻にしか出せないオーラ? みたいな? 愛されてるねー」
ストレートな香奈の言葉に赤面してしまう。
「春休みは夫婦水入らずだね。二月はバレンタインもあるし、いいね〜」
「うん」
「ま、今はこのレポートをなんとかしないとね」
そう、大学はもうすぐ春休み。
一月末から三月いっぱいがお休みだから……春休みの間にあの櫻坂で会った夜から一年が経つんだよね。
思い出すと頬が熱くなってしまうけど、また二人で桜を見られると思うと嬉しいな。祖母の話なんかもまたたくさん聞いて欲しい。
「木花、なーんか最近元気じゃん!」
一緒に出かけた美術館の帰りに立ち寄ったカフェで、香奈に言われる。
「こんなに課題にテストに忙しいのに」
今日もレポート課題の美術展鑑賞だ。
「春櫂先生といい感じなんだ?」
カフェラテのカップを口に運びながらコクッと頷く。
櫂李さんは、ここのところ大学の授業が無い日はまたアトリエに籠っている。
没頭して何かを描いているのかな、とは思っているけどこちらから聞くことはしていない。
描き終えたらきっとまた見せてくれる、それまで楽しみに待っていようって思えるから。
あの日、初めてお互いの気持ちの深い部分を吐き出し合ってから信頼感が高まって絆が強くなった気がする。
「最近だんだん夫婦って実感が湧いてきたみたい」
私の言葉を、香奈はカプチーノを飲みながら聞く。
「木花、どんどんきれいになってるもんね〜」
「え?」
「人妻にしか出せないオーラ? みたいな? 愛されてるねー」
ストレートな香奈の言葉に赤面してしまう。
「春休みは夫婦水入らずだね。二月はバレンタインもあるし、いいね〜」
「うん」
「ま、今はこのレポートをなんとかしないとね」
そう、大学はもうすぐ春休み。
一月末から三月いっぱいがお休みだから……春休みの間にあの櫻坂で会った夜から一年が経つんだよね。
思い出すと頬が熱くなってしまうけど、また二人で桜を見られると思うと嬉しいな。祖母の話なんかもまたたくさん聞いて欲しい。