花とリフレイン —春愁切愛婚礼譚—
「それがどうして半年も経たずに結婚してるわけ?」
「うーん……」
桜泥棒をしようとして、助けてもらって、一夜を共にして、絵をもらって、再会して、結婚した……って、まとめるのは簡単だけど、誰も理解はしてくれないように思う。
「彼が大学に来る少し前に出会って、ご縁があって……って感じかな」
これも間違いではない。
「ふーん。よくわからないけど、いいね、そういうの」
「そういうの?」
「だって、その短い間で「どうしても結婚したい!」ってお互い思ったってことでしょ? 運命って感じで羨ましい。しかも相手が春櫂先生だなんて」
香奈は両腕で頬杖をついて言った。
「後期から専攻も変えるんでしょ? 木花ってあんまり勉強熱心じゃなかったのに、彼のためだよね。ベタ惚れじゃん」
あらためて言われると恥ずかしくて、何も言えなくなってしまった。
「木花のおばあちゃんのことは本当に残念で、私が何か言えるようなことじゃないけどさ、木花が誰かと一緒にいてくれるって、私も嬉しくて安心するよ」
香奈は春休みに祖母のお見舞いにも来てくれた。
どうしてって聞かれても一目惚れ以上の言葉が見つからないけど、毎日新しい顔を知るたびに彼のことを好きになっていく。
「うーん……」
桜泥棒をしようとして、助けてもらって、一夜を共にして、絵をもらって、再会して、結婚した……って、まとめるのは簡単だけど、誰も理解はしてくれないように思う。
「彼が大学に来る少し前に出会って、ご縁があって……って感じかな」
これも間違いではない。
「ふーん。よくわからないけど、いいね、そういうの」
「そういうの?」
「だって、その短い間で「どうしても結婚したい!」ってお互い思ったってことでしょ? 運命って感じで羨ましい。しかも相手が春櫂先生だなんて」
香奈は両腕で頬杖をついて言った。
「後期から専攻も変えるんでしょ? 木花ってあんまり勉強熱心じゃなかったのに、彼のためだよね。ベタ惚れじゃん」
あらためて言われると恥ずかしくて、何も言えなくなってしまった。
「木花のおばあちゃんのことは本当に残念で、私が何か言えるようなことじゃないけどさ、木花が誰かと一緒にいてくれるって、私も嬉しくて安心するよ」
香奈は春休みに祖母のお見舞いにも来てくれた。
どうしてって聞かれても一目惚れ以上の言葉が見つからないけど、毎日新しい顔を知るたびに彼のことを好きになっていく。