ラスボスの夫に殺される悪役令嬢として転生したので、生き残ってみせる!と意気込んでいたらなぜか夫がデレ始めて戸惑っています
「そ、れは……」
「あれにはほとんど俺と君自身、ヒロインたちについて書かれていたが、次いでレオについても事細かく書かれていた。その内容はレオを褒め称えるようなことばかりだ。そして、レオのことを推しだと書いてあった。推しとはなんだ?……君は、レオが好きなのか?」
探るような眼差しでクロークがキャロラインを見つめている。そう、レオはキャロラインの転生前であるユキの推し。記憶を思い出してからレオと会話したり目が合う度にドキドキして仕方がないほどに推している。
「す、好きといいますかなんといいますか、好きは好きでも種類がありまして。あの、推しというのは、恋愛の好きとかではなく、存在そのものを応援していて、他の人にその人の良さをすすめたいほど気に入っている人のことを言うのです」
「……それで、君はレオのことを推していると」
「転生前は全力で推してました」
「今は?」
「えっ、……今、ですか?今も……です、かね?」
戸惑いつつも肯定するかのようなキャロラインの言葉を聞いて、クロークはなぜか顔が盛大に曇る。
(え、なんでクローク様そんなに不機嫌になってるの?それに、小説の内容のことをもっと聞かれるのかと思ったら、まさか推しについて聞かれるなんて)
キャロラインが驚いていると、クロークは立ち上がってキャロラインの隣に座った。キョトンとするキャロラインをまたいつものように真顔で見つめている。
「ここが小説の世界だということは納得がいかないが、一つはっきりしたことはある。君の性格がこんなにも変わってしまったのは、転生前の記憶のおかげなんだな。ユキの性格がより強く出ている、そういうことだろう」
そう言って、クロークはキャロラインのローズピンクの髪の毛をゆっくり手に取り、優しい手つきでいじり出した。ほんの少しだけだが、普段見せたこともないような柔らかい表情で髪の毛を弄んでいる。
(んん?えっ?何急に!?)
突然のことにキャロラインが胸を高鳴らせ顔を赤らめていると、クロークはそんなキャロラインを見てほんの少しだけ口角を上げる。
「俺は頭を打つ前のキャロラインが嫌いだ。憎らしいとさえ思う。だが、頭を打った後の君については、少なからず好印象を抱いている。それは、つまりユキに対して、ということなのかもしれないが」
そう言ってキャロラインの髪の毛を優しくいじりながらジッとキャロラインを見つめる。あまりの近さにキャロラインは口から心臓が飛び出そうになる。
(な、な、何を急に!?なんでクローク様がこんなにデレ始めてるの!?)
「あれにはほとんど俺と君自身、ヒロインたちについて書かれていたが、次いでレオについても事細かく書かれていた。その内容はレオを褒め称えるようなことばかりだ。そして、レオのことを推しだと書いてあった。推しとはなんだ?……君は、レオが好きなのか?」
探るような眼差しでクロークがキャロラインを見つめている。そう、レオはキャロラインの転生前であるユキの推し。記憶を思い出してからレオと会話したり目が合う度にドキドキして仕方がないほどに推している。
「す、好きといいますかなんといいますか、好きは好きでも種類がありまして。あの、推しというのは、恋愛の好きとかではなく、存在そのものを応援していて、他の人にその人の良さをすすめたいほど気に入っている人のことを言うのです」
「……それで、君はレオのことを推していると」
「転生前は全力で推してました」
「今は?」
「えっ、……今、ですか?今も……です、かね?」
戸惑いつつも肯定するかのようなキャロラインの言葉を聞いて、クロークはなぜか顔が盛大に曇る。
(え、なんでクローク様そんなに不機嫌になってるの?それに、小説の内容のことをもっと聞かれるのかと思ったら、まさか推しについて聞かれるなんて)
キャロラインが驚いていると、クロークは立ち上がってキャロラインの隣に座った。キョトンとするキャロラインをまたいつものように真顔で見つめている。
「ここが小説の世界だということは納得がいかないが、一つはっきりしたことはある。君の性格がこんなにも変わってしまったのは、転生前の記憶のおかげなんだな。ユキの性格がより強く出ている、そういうことだろう」
そう言って、クロークはキャロラインのローズピンクの髪の毛をゆっくり手に取り、優しい手つきでいじり出した。ほんの少しだけだが、普段見せたこともないような柔らかい表情で髪の毛を弄んでいる。
(んん?えっ?何急に!?)
突然のことにキャロラインが胸を高鳴らせ顔を赤らめていると、クロークはそんなキャロラインを見てほんの少しだけ口角を上げる。
「俺は頭を打つ前のキャロラインが嫌いだ。憎らしいとさえ思う。だが、頭を打った後の君については、少なからず好印象を抱いている。それは、つまりユキに対して、ということなのかもしれないが」
そう言ってキャロラインの髪の毛を優しくいじりながらジッとキャロラインを見つめる。あまりの近さにキャロラインは口から心臓が飛び出そうになる。
(な、な、何を急に!?なんでクローク様がこんなにデレ始めてるの!?)