天涯孤独な虐められ眼鏡女子のお仕事は、隣の幼なじみだけにバレている(マンガシナリオ)
2.憧れのお兄ちゃん
〇東京駅 地下20階(夜)
国護りの巫女、御簾の向こう側に二人いることを確認する(相手の顔や服装は見えない)
総理大臣と秘書、正座しながら
総理大臣「相次ぐ大臣の不祥事で……」
国護りの巫女、話を聞きながら目を閉じる。
〇(回想)国会議事堂
眼鏡の男、龍の置物がある部屋で記者に100万円を渡す。
記者、緑の鞄から取り出したメモ帳に書く。
週刊文冬の表紙。
(回想終わり)
〇(戻る)東京駅 地下20階(夜)
国護りの巫女、目を閉じたまま
国護りの巫女「眼鏡の男、龍の置物、札束……緑の鞄の男、週刊文冬、12月27日号」
秘書、スマホを取り出し、週刊文冬のホームページで発売日を確認。
秘書「明後日発売です。すぐに差し止めをしなくては」
総理大臣「眼鏡に龍の置物はあの男しかいない。あいつが党内の情報を売っていたとは」
総理大臣と秘書、急いで立ち上がる。
総理大臣「国護りの巫女様、ありがとうございます」
総理大臣と秘書、慌てて走っていく。
幸一郎「おつかれさまでございました」
幸一郎、意識を失い、後ろに倒れそうになった国護りの巫女を支える。
〇須藤家 美弥の部屋(朝)
ベッドで眠る美弥。
目覚ましが鳴り響いても起きる気配がなく、逆に布団に潜り込む。
間宮湊(22)、布団の上から美弥の肩を叩きながら
湊 「美弥ちゃん、遅刻するよ」
美弥、目が一気に覚める。
美弥「……えっ?」
湊、Yシャツ、カーデガン姿で微笑みながら
湊 「おはよう」
美弥、真っ赤な顔でワタワタしながら起き上がる。
美弥「み、湊お兄ちゃん!?」
湊、美弥の頭を優しくポンとしながら
湊 「朝食できているから着替えたらおいで」
湊、部屋を出ていく。
美弥、バクバクする心臓を押さえながら
美弥「え? 朝食? え? なんで? おはよう? えぇっ?」
美弥、色気のないスウェット上下に気づき、叫びたい気持ちになる。
〇須藤家 ダイニングキッチン(朝)
ダイニングテーブルの上には一人分のオレンジジャムトースト、サラダ、スクランブルエッグ、ベーコン、お茶。
美弥(制服姿)、コーヒーを飲んでいる湊をチラチラと見る。
湊、美弥と目が合い
湊 「嫌いなものは入っていないと思うけれど?」
美弥「う、うん。えっと、その」
湊 「聞きたいのは、なんでここにいるのかな?」
美弥、コクコクと頷く。
湊 「練習」
美弥「れ、練習?」
湊、時計を確認しながら
湊 「早く食べないと遅刻するよ」
美弥、時計を見て驚き、フォークに手を伸ばす。トロトロなスクランブルエッグを口に入れる。
美弥「おいしい!」
湊 「車で送るから、残さず食べるように」
美弥、トーストをかじりながら湊を見つめる。
美弥М『……夢かな、これ』
× × ×
美弥、きれいに食べ終わり、手を合わせて
美弥「ごちそうさまでした」
湊、キッチンからお弁当を持ち、ダイニングテーブルに置く。
湊 「はい、お弁当」
美弥「お、お、お、お弁当!?」
美弥、お弁当と湊を交互に見る。
湊、車のカギを見せながら
湊 「行こうか」
湊、にっこり微笑む。
美弥、真っ赤な顔でワタワタしながら鞄から瓶底眼鏡を取り出してつける。
湊、既定のスカート長さの制服・引詰め髪・瓶底眼鏡の美弥の姿に目を伏せる。(こんな姿で学校へ行かなくてはならないのは可哀想だなと同情)
〇高校 教室(朝)
ざわつく教室。黒板の前には担任と、スーツにネクタイの湊。
担任「えー、今日から一週間、教育実習として間宮くんが入ることになった」
湊、美弥に向かってにっこり微笑みながら
湊 「間宮湊です。数学を担当しますのでよろしくお願いします」
女子生徒、大興奮。
翔、固まっている美弥を見つめ、ホッとする。
担任「数学のテスト追試の者は今日居残りするように。間宮先生の特別授業だ」
うらやましがる女子生徒の声が聞こえる。
美弥М『ヤバい。湊お兄ちゃんに点数がバレる』
美弥、目を泳がせる。
担任「じゃ、HRは終わり」
担任と湊、教室を出ていく。
数人の女子生徒が湊を追いかけていく。
翔、美弥の席に近づきながら
翔 「なんだよ、あれ。聞いてねぇ」
美弥「翔ちゃんも知らなかったの?」
翔 「あぁ」
男子生徒①「間宮って」
翔 「あれ兄貴」
男子生徒①「マジか! なんとなく似てると思ったわ」
翔、男子生徒①と去る。
美弥、琴葉、女子生徒①、女子生徒②に睨まれていることに気が付く。目を逸らし、一時間目の授業の準備をする。
〇同(夕)
夕日が差し込む教室に湊と美弥は二人きり。
湊と美弥、机を挟み、正面同士に座る。
美弥М『追試は私だけじゃないはずなのに……』
湊 「山田くんは腹痛、笹野くんはサボり」
美弥М『サボりってありなの!?』
湊、美弥の数学のテスト12点を見ながら
湊 「苦手?」
美弥、必死で
美弥「えっと、公式に当てはめればいいのはわかっているけれど、入れても答えが出なくて、それで」
湊、解きかけで答えが出ずに×になっている問題をジッと見ながら
湊 「……なるほどね」
湊、立ち上がり黒板に問題を書く。
湊 「解いてごらん」
美弥「えぇっ?」
美弥、黒板の前へ行き、渡されたチョークで悩みながら書き始める。
湊 「はい、ストップ」
湊、チョークを持っている美弥の右手を上から包み込み、後ろから壁ドンのような体勢になる。
美弥М『近い、近いっ』
美弥、一気に顔が赤く染まる。
国護りの巫女、御簾の向こう側に二人いることを確認する(相手の顔や服装は見えない)
総理大臣と秘書、正座しながら
総理大臣「相次ぐ大臣の不祥事で……」
国護りの巫女、話を聞きながら目を閉じる。
〇(回想)国会議事堂
眼鏡の男、龍の置物がある部屋で記者に100万円を渡す。
記者、緑の鞄から取り出したメモ帳に書く。
週刊文冬の表紙。
(回想終わり)
〇(戻る)東京駅 地下20階(夜)
国護りの巫女、目を閉じたまま
国護りの巫女「眼鏡の男、龍の置物、札束……緑の鞄の男、週刊文冬、12月27日号」
秘書、スマホを取り出し、週刊文冬のホームページで発売日を確認。
秘書「明後日発売です。すぐに差し止めをしなくては」
総理大臣「眼鏡に龍の置物はあの男しかいない。あいつが党内の情報を売っていたとは」
総理大臣と秘書、急いで立ち上がる。
総理大臣「国護りの巫女様、ありがとうございます」
総理大臣と秘書、慌てて走っていく。
幸一郎「おつかれさまでございました」
幸一郎、意識を失い、後ろに倒れそうになった国護りの巫女を支える。
〇須藤家 美弥の部屋(朝)
ベッドで眠る美弥。
目覚ましが鳴り響いても起きる気配がなく、逆に布団に潜り込む。
間宮湊(22)、布団の上から美弥の肩を叩きながら
湊 「美弥ちゃん、遅刻するよ」
美弥、目が一気に覚める。
美弥「……えっ?」
湊、Yシャツ、カーデガン姿で微笑みながら
湊 「おはよう」
美弥、真っ赤な顔でワタワタしながら起き上がる。
美弥「み、湊お兄ちゃん!?」
湊、美弥の頭を優しくポンとしながら
湊 「朝食できているから着替えたらおいで」
湊、部屋を出ていく。
美弥、バクバクする心臓を押さえながら
美弥「え? 朝食? え? なんで? おはよう? えぇっ?」
美弥、色気のないスウェット上下に気づき、叫びたい気持ちになる。
〇須藤家 ダイニングキッチン(朝)
ダイニングテーブルの上には一人分のオレンジジャムトースト、サラダ、スクランブルエッグ、ベーコン、お茶。
美弥(制服姿)、コーヒーを飲んでいる湊をチラチラと見る。
湊、美弥と目が合い
湊 「嫌いなものは入っていないと思うけれど?」
美弥「う、うん。えっと、その」
湊 「聞きたいのは、なんでここにいるのかな?」
美弥、コクコクと頷く。
湊 「練習」
美弥「れ、練習?」
湊、時計を確認しながら
湊 「早く食べないと遅刻するよ」
美弥、時計を見て驚き、フォークに手を伸ばす。トロトロなスクランブルエッグを口に入れる。
美弥「おいしい!」
湊 「車で送るから、残さず食べるように」
美弥、トーストをかじりながら湊を見つめる。
美弥М『……夢かな、これ』
× × ×
美弥、きれいに食べ終わり、手を合わせて
美弥「ごちそうさまでした」
湊、キッチンからお弁当を持ち、ダイニングテーブルに置く。
湊 「はい、お弁当」
美弥「お、お、お、お弁当!?」
美弥、お弁当と湊を交互に見る。
湊、車のカギを見せながら
湊 「行こうか」
湊、にっこり微笑む。
美弥、真っ赤な顔でワタワタしながら鞄から瓶底眼鏡を取り出してつける。
湊、既定のスカート長さの制服・引詰め髪・瓶底眼鏡の美弥の姿に目を伏せる。(こんな姿で学校へ行かなくてはならないのは可哀想だなと同情)
〇高校 教室(朝)
ざわつく教室。黒板の前には担任と、スーツにネクタイの湊。
担任「えー、今日から一週間、教育実習として間宮くんが入ることになった」
湊、美弥に向かってにっこり微笑みながら
湊 「間宮湊です。数学を担当しますのでよろしくお願いします」
女子生徒、大興奮。
翔、固まっている美弥を見つめ、ホッとする。
担任「数学のテスト追試の者は今日居残りするように。間宮先生の特別授業だ」
うらやましがる女子生徒の声が聞こえる。
美弥М『ヤバい。湊お兄ちゃんに点数がバレる』
美弥、目を泳がせる。
担任「じゃ、HRは終わり」
担任と湊、教室を出ていく。
数人の女子生徒が湊を追いかけていく。
翔、美弥の席に近づきながら
翔 「なんだよ、あれ。聞いてねぇ」
美弥「翔ちゃんも知らなかったの?」
翔 「あぁ」
男子生徒①「間宮って」
翔 「あれ兄貴」
男子生徒①「マジか! なんとなく似てると思ったわ」
翔、男子生徒①と去る。
美弥、琴葉、女子生徒①、女子生徒②に睨まれていることに気が付く。目を逸らし、一時間目の授業の準備をする。
〇同(夕)
夕日が差し込む教室に湊と美弥は二人きり。
湊と美弥、机を挟み、正面同士に座る。
美弥М『追試は私だけじゃないはずなのに……』
湊 「山田くんは腹痛、笹野くんはサボり」
美弥М『サボりってありなの!?』
湊、美弥の数学のテスト12点を見ながら
湊 「苦手?」
美弥、必死で
美弥「えっと、公式に当てはめればいいのはわかっているけれど、入れても答えが出なくて、それで」
湊、解きかけで答えが出ずに×になっている問題をジッと見ながら
湊 「……なるほどね」
湊、立ち上がり黒板に問題を書く。
湊 「解いてごらん」
美弥「えぇっ?」
美弥、黒板の前へ行き、渡されたチョークで悩みながら書き始める。
湊 「はい、ストップ」
湊、チョークを持っている美弥の右手を上から包み込み、後ろから壁ドンのような体勢になる。
美弥М『近い、近いっ』
美弥、一気に顔が赤く染まる。