天涯孤独な虐められ眼鏡女子のお仕事は、隣の幼なじみだけにバレている(マンガシナリオ)
4.池はダメだよ
〇須藤家 ダイニングキッチン(夜)
美弥、立ち上がったままパニック状態で
美弥「つ、付き合うって、その、付き合う?」
湊、笑いながら
湊 「誰か好きな人がいる?」
美弥「い、いなっ。いないっ」
美弥М『湊お兄ちゃんが好きです!』
美弥、真っ赤な顔で、もじもじしながら
美弥「付き合うって、どうしたら……」
湊 「一緒にご飯を食べて、一緒にテレビを見て。学校であったことを話して、休日は一緒に出掛けて」
湊、立ち上がて美弥の傍に行き、耳元で
湊 「甘えてくれればいいよ」
湊、美弥の肩をポンと下げ、椅子に座らせる。
美弥М『甘えるってどうやって~~!?』
湊、美弥の顔を覗き込む。
湊 「まずは食事」
美弥「は、はいっ」
美弥、真っ赤な顔で食べ始める。
〇同 リビング(夜)
美弥、ソファーに座り歌番組を見ている。
湊、ココアをリビングのテーブルに置きながら
湊 「熱いから気を付けてね」
湊、美弥の隣に座る。
美弥М『近っ』
湊 「美弥ちゃん、一人の時は何を?」
美弥「テレビ見たり、宿題やったり」
湊 「友達と遊んだり?」
美弥、顔を曇らせる。
湊、美弥の頭にポンッと手を乗せ、
湊 「寂しかったね。でもこれからは俺がいるから」
美弥、涙が溢れそうになる。
湊 「待たせてごめんね」
美弥、涙が我慢できない。
湊、美弥を抱き寄せ、背中をポンポンと叩く。
美弥、湊の腕の中で大号泣。
× × ×
美弥、泣き疲れて眠っている。
湊、美弥を抱きかかえる。
〇同 美弥の部屋(夜)
湊、美弥をベッドに寝かせる。布団を被せ、赤くなった目元をそっと撫でる。
湊 「……このままじゃダメだ」
湊、拳を握る。美弥の寝顔を眺めた後、退室。
〇高校 裏門駐車場(朝)
美弥、車から降りながら
美弥「湊お兄ちゃん、ありがとう」
湊 「いってらっしゃい」
湊、手を振る。
美弥、右方向、正門(生徒用昇降口)の方へ歩く。
湊、正面の職員用出入り口から校舎の中に入る。
美弥、校舎の周りに作られた歩道を歩く。
中庭:校舎と校舎の間が渡り廊下で繋がり、横に小さな池がある。
美弥、中庭に琴葉、女子生徒①、女子生徒②がいることに気がつく。
美弥M『なんでこんなところに』
琴葉「今日も一緒に来たの?」
美弥、自分が話しかけられているとは思わず通り過ぎる。
女子生徒①「無視するなんて!」
美弥、女子生徒①に腕を掴まれる。
美弥「……私?」
女子生徒②「あんたしかいないじゃないのよ」
女子生徒②、引詰め髪、瓶底眼鏡、膝下10センチスカート、白いソックスの美弥を上から下までじっくり眺めながら
女子生徒②「ダッサ」
女子生徒①「幼なじみだから優しいだけよ」
琴葉「翔さんだけじゃなくて、先生まで誑かして」
女子生徒②「勘違いしないことね」
美弥М『……そんなこと、言われなくてもわかってるし……』
美弥、目を伏せながら俯く。
女子生徒①「ねぇ、両親いないって本当?」
美弥、口を堅く閉じる。
女子生徒②「可哀想~、捨てられたんだ~」
美弥、勢いよく顔を上げながら
美弥「違っ!」
女子生徒①「生意気なのよ!」
女子生徒②「捨て子のくせに!」
美弥「……えっ?」
美弥、女子生徒①と女子生徒②に押され、後ろによろける。靴が池の周りの石に当たる。鞄が手から地面に落ちる。
美弥、池の中に尻もちをつく。座った状態、腰の高さまで水に浸かる。
琴葉と女子生徒①と女子生徒②、大笑い。
琴葉「いい気味」
琴葉と女子生徒①と女子生徒②、笑いながら昇降口の方へ歩いていく。
美弥「……なんで」
美弥、唇を噛みながら立ち上がり、池から出る。鞄を持って、裏門の方へ歩いていく。
〇同 教室(朝)
予鈴が鳴り、慌てて席に着く生徒たち。
男子生徒①、遅刻気味で駆け込みながら
男子生徒①「セーフ!」
翔 「アウトだろ」
男子生徒①、自信満々に
男子生徒①「先生より先に教室入ればセーフだろ」
担任と湊、入り口から入ってくる。
湊、美弥がいないことに気が付く。
翔、湊と目が合い、知らないと首を横に振る。
翔、周りを見渡し、琴葉がニコニコ、女子生徒①と女子生徒②が目くばせしている様子を不審に思う。
湊、担任に小声で美弥を探しに行くことを伝え、急いで退室。
担任、出席を取りはじめる。
〇線路沿いの道路(朝)
人気がない線路脇の道路。対向車が来たら譲り合いながらすれ違う細い道路。ほとんど車は通らず、時々、犬の散歩の人とすれ違う程度。
美弥、下半身がびしょ濡れのまま家の方向に歩きながら
美弥「11月に池はダメだよ」
美弥、身体がブルッと震える。
美弥「こんなベタベタじゃ電車も乗れないし」
美弥の靴がギュッポギュッポ鳴り、犬が不思議そうな顔をする。
美弥、スカートのポケットからスマホを取り出し、何度電源ボタンを押しても電源が入らないことを確認。
美弥「やっぱり壊れちゃったかな」
美弥、溜息をつきながらポケットにしまう。
美弥が歩いていると、横を電車が通過する。風が冷たく、再び身体が震える。
美弥の後ろから湊の車が来る(美弥は気づいていない)
湊、車から急いで降り、美弥に駆け寄りながら
湊 「美弥ちゃん!」
美弥、聞き間違いかと思いながらゆっくりと振り返る。
美弥「……湊お兄ちゃん?」
湊、美弥を抱き寄せながら、美弥の耳元で
湊 「無事でよかった……」
美弥、涙が我慢できず、湊の服にしがみつく。
美弥、立ち上がったままパニック状態で
美弥「つ、付き合うって、その、付き合う?」
湊、笑いながら
湊 「誰か好きな人がいる?」
美弥「い、いなっ。いないっ」
美弥М『湊お兄ちゃんが好きです!』
美弥、真っ赤な顔で、もじもじしながら
美弥「付き合うって、どうしたら……」
湊 「一緒にご飯を食べて、一緒にテレビを見て。学校であったことを話して、休日は一緒に出掛けて」
湊、立ち上がて美弥の傍に行き、耳元で
湊 「甘えてくれればいいよ」
湊、美弥の肩をポンと下げ、椅子に座らせる。
美弥М『甘えるってどうやって~~!?』
湊、美弥の顔を覗き込む。
湊 「まずは食事」
美弥「は、はいっ」
美弥、真っ赤な顔で食べ始める。
〇同 リビング(夜)
美弥、ソファーに座り歌番組を見ている。
湊、ココアをリビングのテーブルに置きながら
湊 「熱いから気を付けてね」
湊、美弥の隣に座る。
美弥М『近っ』
湊 「美弥ちゃん、一人の時は何を?」
美弥「テレビ見たり、宿題やったり」
湊 「友達と遊んだり?」
美弥、顔を曇らせる。
湊、美弥の頭にポンッと手を乗せ、
湊 「寂しかったね。でもこれからは俺がいるから」
美弥、涙が溢れそうになる。
湊 「待たせてごめんね」
美弥、涙が我慢できない。
湊、美弥を抱き寄せ、背中をポンポンと叩く。
美弥、湊の腕の中で大号泣。
× × ×
美弥、泣き疲れて眠っている。
湊、美弥を抱きかかえる。
〇同 美弥の部屋(夜)
湊、美弥をベッドに寝かせる。布団を被せ、赤くなった目元をそっと撫でる。
湊 「……このままじゃダメだ」
湊、拳を握る。美弥の寝顔を眺めた後、退室。
〇高校 裏門駐車場(朝)
美弥、車から降りながら
美弥「湊お兄ちゃん、ありがとう」
湊 「いってらっしゃい」
湊、手を振る。
美弥、右方向、正門(生徒用昇降口)の方へ歩く。
湊、正面の職員用出入り口から校舎の中に入る。
美弥、校舎の周りに作られた歩道を歩く。
中庭:校舎と校舎の間が渡り廊下で繋がり、横に小さな池がある。
美弥、中庭に琴葉、女子生徒①、女子生徒②がいることに気がつく。
美弥M『なんでこんなところに』
琴葉「今日も一緒に来たの?」
美弥、自分が話しかけられているとは思わず通り過ぎる。
女子生徒①「無視するなんて!」
美弥、女子生徒①に腕を掴まれる。
美弥「……私?」
女子生徒②「あんたしかいないじゃないのよ」
女子生徒②、引詰め髪、瓶底眼鏡、膝下10センチスカート、白いソックスの美弥を上から下までじっくり眺めながら
女子生徒②「ダッサ」
女子生徒①「幼なじみだから優しいだけよ」
琴葉「翔さんだけじゃなくて、先生まで誑かして」
女子生徒②「勘違いしないことね」
美弥М『……そんなこと、言われなくてもわかってるし……』
美弥、目を伏せながら俯く。
女子生徒①「ねぇ、両親いないって本当?」
美弥、口を堅く閉じる。
女子生徒②「可哀想~、捨てられたんだ~」
美弥、勢いよく顔を上げながら
美弥「違っ!」
女子生徒①「生意気なのよ!」
女子生徒②「捨て子のくせに!」
美弥「……えっ?」
美弥、女子生徒①と女子生徒②に押され、後ろによろける。靴が池の周りの石に当たる。鞄が手から地面に落ちる。
美弥、池の中に尻もちをつく。座った状態、腰の高さまで水に浸かる。
琴葉と女子生徒①と女子生徒②、大笑い。
琴葉「いい気味」
琴葉と女子生徒①と女子生徒②、笑いながら昇降口の方へ歩いていく。
美弥「……なんで」
美弥、唇を噛みながら立ち上がり、池から出る。鞄を持って、裏門の方へ歩いていく。
〇同 教室(朝)
予鈴が鳴り、慌てて席に着く生徒たち。
男子生徒①、遅刻気味で駆け込みながら
男子生徒①「セーフ!」
翔 「アウトだろ」
男子生徒①、自信満々に
男子生徒①「先生より先に教室入ればセーフだろ」
担任と湊、入り口から入ってくる。
湊、美弥がいないことに気が付く。
翔、湊と目が合い、知らないと首を横に振る。
翔、周りを見渡し、琴葉がニコニコ、女子生徒①と女子生徒②が目くばせしている様子を不審に思う。
湊、担任に小声で美弥を探しに行くことを伝え、急いで退室。
担任、出席を取りはじめる。
〇線路沿いの道路(朝)
人気がない線路脇の道路。対向車が来たら譲り合いながらすれ違う細い道路。ほとんど車は通らず、時々、犬の散歩の人とすれ違う程度。
美弥、下半身がびしょ濡れのまま家の方向に歩きながら
美弥「11月に池はダメだよ」
美弥、身体がブルッと震える。
美弥「こんなベタベタじゃ電車も乗れないし」
美弥の靴がギュッポギュッポ鳴り、犬が不思議そうな顔をする。
美弥、スカートのポケットからスマホを取り出し、何度電源ボタンを押しても電源が入らないことを確認。
美弥「やっぱり壊れちゃったかな」
美弥、溜息をつきながらポケットにしまう。
美弥が歩いていると、横を電車が通過する。風が冷たく、再び身体が震える。
美弥の後ろから湊の車が来る(美弥は気づいていない)
湊、車から急いで降り、美弥に駆け寄りながら
湊 「美弥ちゃん!」
美弥、聞き間違いかと思いながらゆっくりと振り返る。
美弥「……湊お兄ちゃん?」
湊、美弥を抱き寄せながら、美弥の耳元で
湊 「無事でよかった……」
美弥、涙が我慢できず、湊の服にしがみつく。