次期社長の執着愛。 〜御曹司だと知らずに逃げた苦労人女子なのに、社長になって、全力情愛で追いかけてくる。〜
「……そんな私には、誰かと結ばれることは許されないって思ってた。だって、私は私の意思で、父としていたのにお腹の中に宿った命を奪ったの。そんな私に、誰かと幸せになる資格も幸せになりたいって思うことすらも罪だと、私は汚い人間なんだってずっと、ずっと思い続けていた。そう思わないと、ダメな気がした」
「なんで、相談してくれなかったの……っ?」
「こんな内容、相談できるわけないよ。だって、相談して、受け止められる? こんな重くて気持ち悪い内容。受け止められるわけない……私が瑞希たちの立場でも無理だと思うしどう考えても重すぎて受け止めきれない。そう思ったら、言えないでしょ」
「じゃあ、元々、離れるつもりだったの?」
「こんなに仲良くなるつもりじゃなかったの……だって、何かあった時、離れるとき、辛くなるから。今まで、父との関係が始まって友達も恋人も作らなかった。だけど、瑞希も理人くんも桜志くんもいい人すぎて心が綺麗で眩しくて憧れた。そしたら、今まで抑えていたものが一瞬でなくなって仲良くなってご飯行ったり話したり遊びに行ったりして普通の女の子になれた気がしちゃった」
こんなことを話したら、もう会ってくれなくなるかもしれないと思う。それでも話さないで有耶無耶にしたら、ダメだ。