次期社長の執着愛。 〜御曹司だと知らずに逃げた苦労人女子なのに、社長になって、全力情愛で追いかけてくる。〜
「桜志くん、こちらが今言った榛名沙月さんだ。代々、ハルナ百貨店の社長の次女で頭がいいんだ。今年愛吉大学を女子では三席で卒業したばかりなんだ。今はお家で花嫁修行をしている」
花嫁修行って、いつの時代のお嬢様なんだ。それじゃあ、何もできない子と同然じゃないか。それに愛吉大学ってそんなに偏差値高くなくてエレベーター式の大学だし、三席ってそんなにすごくない。
「まぁ、頭がいいだなんて……ふふ。お初にお目にかかります榛名沙月と申します、桜志さま」
「君に名前で呼んでいいと許可していない。それに君と結婚などしない、俺には決めた人がいる」
「あら……そうなのですか。どのような人なのですか? 近づけるように努力しますわ」
「俺の好きな人は初恋で、とても素敵な人だ。あんな素敵な女性は彼女以外会ったことがない。彼女以外みんな同じ顔に見えるし、香水がきつい。俺の好みは石鹸の香りだし、彼女の近くに行けば控えめなアップルとフローラルの香りがしていい香りだ。そんな甘ったるい匂いは臭いだけだ」
「え……」
「それに箱入り娘じゃなく、頭も良く仕事ができる人というのもいい。それに俺は追いかけられるより追いかけたいし、尽くしたいんだ。美味しそうにご飯食べる子もいいな。結婚したら仕事を続けてもらいたい。だけど、彼女は魅力的すぎるので余計な虫がつかないように対策をしないとだ。それに俺、彼女にしか勃たない気がするし!」
「えっ……いや、あの?」
「だけど、嫌われてしまったかもしれない……俺はもう生きていけない。魅力的だからすぐに結婚してしまうかも、そんなの無理、そんなことになったら二人で住む予定だった新居は取り壊して引きこもりたくなる」
そうなったら完全なる外部からの遮断して、聖菜関連の話は聞かないようにしないといけなくなる。