次期社長の執着愛。 〜御曹司だと知らずに逃げた苦労人女子なのに、社長になって、全力情愛で追いかけてくる。〜
「お待たせ致しました。木ノ下聖菜といいます」
「あっ、初めまして。突然すみません、私は榛名旧財閥家の当主の娘で、榛名沙月と言います。桜志さんの婚約者候補でした」
あぁ、そうか。そういうこと……私とは会わずに別れるためにお見合いでもしたんだ。
しかも私じゃ、到底敵わないお家柄相手にしたのかな。そんなこと気にしないでいいのに。
「今日は私に何か……?」
「はい! 遠回しな言い方は嫌いなので、単刀直入に言わせていただきます」
「は、はい。どうぞ……」
「ありがとうございます。あの、お願いがあります。どうか、村岡さんと結婚してください!!」
……ん?