ヤギオの時間 ／猟奇オカルト怪談※トラウマ・発狂
1
はい、あやかしラジオです。
今回にご紹介するのは、昨今に急に頻繁している連続殺人・婦女暴行やら暴力事件と誘拐や行方不明事件。さながら朝鮮人ばりに｢戸籍と身分の乗っ取り｣なんてのもあるみたいです。
それで疑いがかかって、事情聴取されるケースが頻繁しているそうで。警察やら陰陽師がたずねてくることがあるらしいです。この十年くらいで急増しているようで、そういうお手紙がたまってるこの最近分をまとめてご紹介！
さ、いってみましょう。まずは鬼の若旦那から。せっかくの新婚生活に水をさされて、奥さんが怯えているとお怒りです。｢もし不逞の輩が近所でふざけたことしたりしたら、警察に生きて渡すかわからない｣ですと！ 大怖い！(笑)
2
新婚の鬼(男)です。近ごろにようやく妻と入籍して落ち着いてきたところなのに、世の中でおかしな事件がおきてきて、うちにまであらぬ疑いかかってきているようで。
警官と陰陽師がやってきて｢何か知らないか？｣だの｢聞いた話はないか？｣だの。｢おたくは情報網や付き合いが広いから｣なんて言ってましたけれども、暗にうちが裏で関与していると少しばかり疑ってるんじゃないかとか(あいつらは監視役や目付役をきどった態度なので、たまにムカつきます。それで抑止になるとはいえ、あんまりいい気持ちはしない)。不機嫌で声が荒げてしまって、新妻がびっくりして、話を聞いて怯えまくっているし、大変でした。
｢うちは関係ないよね？ あなたはそんなことに関わったりしないよね？ うちの親戚とかでも、そういう人はいないよね？｣
みたいな、人間の新妻からおろおろした涙目で何回も聞かれて困り果てました。愛する者にまで疑われるのはこたえるもので、つい怒って泣かせてしまって、自己嫌悪と絶望でした。
あいつら(陰陽師)、人様の家庭を壊す気か？ 今度会ったら文句言っておこう。
それで、妻に説明してやったんです。
だいたい日本の｢あやかし｣の家っていうのは、家系にもよりますけれども、平安時代とか遅くても江戸時代からずっと日本にいるわけですよ(大元の遠い最初の先祖が外国や宇宙から来たり動物の突然変異なのかまでは知らないが)。だから、人を襲いまくったり悪さしまくるような奴らは長い何百年や千年二千年でだいたいが陰陽師やら山伏やらサムライやらに狩られて、淘汰されてます。
これまで、明治以後に残っている連中はたいして実害がないような家系やグループ氏族ばっかりで、神社や朝廷と結びついたりしているようなのが多いのはご存じでしょう？ 人間と折り合いつけて協力的なあやかしだけが主に生き残ったのですし、いまだに反社会的行動したり犯罪グループもいることにはいますけれど、むしろ少数派であやかしの中でも嫌がられてるでしょ？
そもそも、人間と頻繁に結婚しているんだから実際には｢ただの異能のある血筋の人間｣とあんまり変わらない(片親が人間で混血を繰り返したらどうなるか、バカでもわかる)。大元の発端はともかくとして今では陰陽師や呪術師の家系とあんまり変わらない。あの陰陽師の安倍晴明だって｢母親は妖狐｣なのだし、あやかし家系にも呪言師(じゅごんし)の官職を貰っている奴はざらにいる。
いつぞや、妻と婚約時代に陰陽師と出くわして、そのときに｢今はあやかしの立場が強いから大丈夫だよ｣なんて、見栄っ張りな説明をしたことがあって(陰陽師とは派閥的にはライバル関係ですから｢あんな奴らはたいしたことない｣ってつもりだったのですが)。その先入観で間違った理解や印象になっていたようで、訂正するのに苦労しました。
｢今のあやかしと陰陽師なんか、消防署と海上保安庁とか、経済省と総務省くらいしか違わない。江戸時代より昔からいて協力的なあやかしは日本国民だから、古代みたいに無差別で陰陽師から討伐されるような時代でない。たまに問題行動したり犯罪グループもいることにはいるから、うちは元締めで情報網があるから聞きに来ただけ｣
と説明して、ようやく納得してくれたようで。
今度には大昔の先祖のミイラ仏(マッチョで角がある、全身に呪文の入れ墨)を見せて、｢今では人間とあんまり変わらない｣と納得させてやろうと思いますけど、たまに生理的に拒絶反応する人もいるのでどうしようか悩んでます(子供のときに｢大昔昔のうちのおじいちゃんだよ｣と見せられて、最初はビビって泣きました。人間の奥さん、つまり大昔の婆さんとやり取りした和歌の木簡を見せられて、やっと先祖の｢鬼じじ様｣を心に受け入れられた幼き思い出)。その辺が｢人間でない血筋｣を引いているのを家門のアイデンティティやブランドにしている難しさで(実際に自分たちの力はそれに由来している)、たまに｢俺は人間じゃない｣と勘違いして愚劣な凶行に走るバカも出る(血が濃くなっても、過半は遺伝子からすれば、しょせん今の日本の｢あやかし｣の大半は人間の一種のはずなのですが。今のホモサピエンス人類が亜人種原始人のネアンデルタール人の血筋を一割弱くらい引いているらしいのと大差ないでしょ？)。
あいつら陰陽師の家だって、レジェンド代表格の安倍晴明からが妖狐の母親に生ませた息子なのに、あいつらだって実際にはあやかしの血筋を引いている奴は大勢いるはずなんです。それなのに、あいつら(陰陽師グループや一部の家門・家系)だけ｢自分たちは正統派で正義のヒーローです｣みたいな偉そうな顔しやがって、世の中って理不尽で不公正ですよね？
そのうちまた会ったらヘッドロックしてやるか、定期開催の練習試合でボコボコにしてどっちが上かわからせてやらねば。
はい、あやかしラジオです。
今回にご紹介するのは、昨今に急に頻繁している連続殺人・婦女暴行やら暴力事件と誘拐や行方不明事件。さながら朝鮮人ばりに｢戸籍と身分の乗っ取り｣なんてのもあるみたいです。
それで疑いがかかって、事情聴取されるケースが頻繁しているそうで。警察やら陰陽師がたずねてくることがあるらしいです。この十年くらいで急増しているようで、そういうお手紙がたまってるこの最近分をまとめてご紹介！
さ、いってみましょう。まずは鬼の若旦那から。せっかくの新婚生活に水をさされて、奥さんが怯えているとお怒りです。｢もし不逞の輩が近所でふざけたことしたりしたら、警察に生きて渡すかわからない｣ですと！ 大怖い！(笑)
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新婚の鬼(男)です。近ごろにようやく妻と入籍して落ち着いてきたところなのに、世の中でおかしな事件がおきてきて、うちにまであらぬ疑いかかってきているようで。
警官と陰陽師がやってきて｢何か知らないか？｣だの｢聞いた話はないか？｣だの。｢おたくは情報網や付き合いが広いから｣なんて言ってましたけれども、暗にうちが裏で関与していると少しばかり疑ってるんじゃないかとか(あいつらは監視役や目付役をきどった態度なので、たまにムカつきます。それで抑止になるとはいえ、あんまりいい気持ちはしない)。不機嫌で声が荒げてしまって、新妻がびっくりして、話を聞いて怯えまくっているし、大変でした。
｢うちは関係ないよね？ あなたはそんなことに関わったりしないよね？ うちの親戚とかでも、そういう人はいないよね？｣
みたいな、人間の新妻からおろおろした涙目で何回も聞かれて困り果てました。愛する者にまで疑われるのはこたえるもので、つい怒って泣かせてしまって、自己嫌悪と絶望でした。
あいつら(陰陽師)、人様の家庭を壊す気か？ 今度会ったら文句言っておこう。
それで、妻に説明してやったんです。
だいたい日本の｢あやかし｣の家っていうのは、家系にもよりますけれども、平安時代とか遅くても江戸時代からずっと日本にいるわけですよ(大元の遠い最初の先祖が外国や宇宙から来たり動物の突然変異なのかまでは知らないが)。だから、人を襲いまくったり悪さしまくるような奴らは長い何百年や千年二千年でだいたいが陰陽師やら山伏やらサムライやらに狩られて、淘汰されてます。
これまで、明治以後に残っている連中はたいして実害がないような家系やグループ氏族ばっかりで、神社や朝廷と結びついたりしているようなのが多いのはご存じでしょう？ 人間と折り合いつけて協力的なあやかしだけが主に生き残ったのですし、いまだに反社会的行動したり犯罪グループもいることにはいますけれど、むしろ少数派であやかしの中でも嫌がられてるでしょ？
そもそも、人間と頻繁に結婚しているんだから実際には｢ただの異能のある血筋の人間｣とあんまり変わらない(片親が人間で混血を繰り返したらどうなるか、バカでもわかる)。大元の発端はともかくとして今では陰陽師や呪術師の家系とあんまり変わらない。あの陰陽師の安倍晴明だって｢母親は妖狐｣なのだし、あやかし家系にも呪言師(じゅごんし)の官職を貰っている奴はざらにいる。
いつぞや、妻と婚約時代に陰陽師と出くわして、そのときに｢今はあやかしの立場が強いから大丈夫だよ｣なんて、見栄っ張りな説明をしたことがあって(陰陽師とは派閥的にはライバル関係ですから｢あんな奴らはたいしたことない｣ってつもりだったのですが)。その先入観で間違った理解や印象になっていたようで、訂正するのに苦労しました。
｢今のあやかしと陰陽師なんか、消防署と海上保安庁とか、経済省と総務省くらいしか違わない。江戸時代より昔からいて協力的なあやかしは日本国民だから、古代みたいに無差別で陰陽師から討伐されるような時代でない。たまに問題行動したり犯罪グループもいることにはいるから、うちは元締めで情報網があるから聞きに来ただけ｣
と説明して、ようやく納得してくれたようで。
今度には大昔の先祖のミイラ仏(マッチョで角がある、全身に呪文の入れ墨)を見せて、｢今では人間とあんまり変わらない｣と納得させてやろうと思いますけど、たまに生理的に拒絶反応する人もいるのでどうしようか悩んでます(子供のときに｢大昔昔のうちのおじいちゃんだよ｣と見せられて、最初はビビって泣きました。人間の奥さん、つまり大昔の婆さんとやり取りした和歌の木簡を見せられて、やっと先祖の｢鬼じじ様｣を心に受け入れられた幼き思い出)。その辺が｢人間でない血筋｣を引いているのを家門のアイデンティティやブランドにしている難しさで(実際に自分たちの力はそれに由来している)、たまに｢俺は人間じゃない｣と勘違いして愚劣な凶行に走るバカも出る(血が濃くなっても、過半は遺伝子からすれば、しょせん今の日本の｢あやかし｣の大半は人間の一種のはずなのですが。今のホモサピエンス人類が亜人種原始人のネアンデルタール人の血筋を一割弱くらい引いているらしいのと大差ないでしょ？)。
あいつら陰陽師の家だって、レジェンド代表格の安倍晴明からが妖狐の母親に生ませた息子なのに、あいつらだって実際にはあやかしの血筋を引いている奴は大勢いるはずなんです。それなのに、あいつら(陰陽師グループや一部の家門・家系)だけ｢自分たちは正統派で正義のヒーローです｣みたいな偉そうな顔しやがって、世の中って理不尽で不公正ですよね？
そのうちまた会ったらヘッドロックしてやるか、定期開催の練習試合でボコボコにしてどっちが上かわからせてやらねば。
