叶わぬ彼との1年先の縁結び
ep.8 向き合ってもいいの……?
初詣で願ったことはきっと叶った。
実家の店には救いの手が差し伸べられた。
願い事とは関係ないことも起こった。
なぜかその日、私の目の前には素敵な人が現れて、いつの間にかその人は私の婚約者になっていた。
でもその人は、私を望んではいなかった。
私はその人を望んではいけなかった。
そう思っていたのに……
「控えめな君のことをもっと知りたい。もっと話して欲しい」
「俺のことも、君に知って欲しいんだ」
突然そんなことを言われても、私にどうしろと言うの……?
「どうすれば良いのか、わかりません……」
穂乃花さんを想っているのに、どうしてそんな矛盾した事を私に伝えてくるの?
「俺のせいで君が傷ついている事に、気がついた」
「えっ……?」
「紗雪」
ビクッと反応してしまった。
突然そんな風に呼んでくるなんて……
「俺は、君をこう呼びたいんだよ」
三雲さんが優しい表情で私を見つめている。
「最初の……約束……」
震える声で、ポツリと言葉がこぼれた。
「あと1年……穂乃花さんを想いたいって……」
この人にとって一番大事なことを、傷ついた原因みたいに伝えてしまって……もう、嫌われてしまうかもしれない。
「……あの時の言葉が、君を1歩引かせてしまっていた」
なのに、三雲さんは心配しているみたいに私を見つめ続けていた。
「自分でも最低だと思うけど、それと紗雪のことを知りたいと思うのは、別の事だと思っていた」
「でも、それって……」
「穂乃花のことは、忘れていくことが前提だったから」
本当に忘れるつもりだったというの……?
「……でも私、器用じゃないから……穂乃花さんとの思い出を邪魔しないように気をつけながら、自分の事を知ってもらうなんて出来ないです……」
抱え込んでいた気持ちが、言葉になってこぼれていく。
「三雲さんのそばには、たとえ見えなくても穂乃花さんがいます」
「それなのに私が近づこうとしたら、三雲さんはきっと鬱陶しく感じるはずです……」
三雲さんが私をじっと見つめてる。
どうしてそんな悔やんでるみたいな顔をしているの?
実家の店には救いの手が差し伸べられた。
願い事とは関係ないことも起こった。
なぜかその日、私の目の前には素敵な人が現れて、いつの間にかその人は私の婚約者になっていた。
でもその人は、私を望んではいなかった。
私はその人を望んではいけなかった。
そう思っていたのに……
「控えめな君のことをもっと知りたい。もっと話して欲しい」
「俺のことも、君に知って欲しいんだ」
突然そんなことを言われても、私にどうしろと言うの……?
「どうすれば良いのか、わかりません……」
穂乃花さんを想っているのに、どうしてそんな矛盾した事を私に伝えてくるの?
「俺のせいで君が傷ついている事に、気がついた」
「えっ……?」
「紗雪」
ビクッと反応してしまった。
突然そんな風に呼んでくるなんて……
「俺は、君をこう呼びたいんだよ」
三雲さんが優しい表情で私を見つめている。
「最初の……約束……」
震える声で、ポツリと言葉がこぼれた。
「あと1年……穂乃花さんを想いたいって……」
この人にとって一番大事なことを、傷ついた原因みたいに伝えてしまって……もう、嫌われてしまうかもしれない。
「……あの時の言葉が、君を1歩引かせてしまっていた」
なのに、三雲さんは心配しているみたいに私を見つめ続けていた。
「自分でも最低だと思うけど、それと紗雪のことを知りたいと思うのは、別の事だと思っていた」
「でも、それって……」
「穂乃花のことは、忘れていくことが前提だったから」
本当に忘れるつもりだったというの……?
「……でも私、器用じゃないから……穂乃花さんとの思い出を邪魔しないように気をつけながら、自分の事を知ってもらうなんて出来ないです……」
抱え込んでいた気持ちが、言葉になってこぼれていく。
「三雲さんのそばには、たとえ見えなくても穂乃花さんがいます」
「それなのに私が近づこうとしたら、三雲さんはきっと鬱陶しく感じるはずです……」
三雲さんが私をじっと見つめてる。
どうしてそんな悔やんでるみたいな顔をしているの?