本屋のポチ
その本屋は神奈川県を走る私鉄の最寄り駅から歩いて3分ほどのところにある。

雑貨屋さんとコンビニにはさまれた2階建てのうす茶色でひかえめな建物。その正体は全国チェーンの本屋だ。
すぐ裏に小さな古本屋がある。地元密着型の小粋なカフェと隣り合って。
ここで本を買って、カフェで読んで、古本屋で売ると言う流れができている。
あまり広くない店内。1階には新書や文庫、雑誌。2階ではコミックと絵本、児童書や文房具を売っている。ホビー系のカードも。駅から近いので、帰宅ついでにふらっと寄るひとが多い。

(混んでる)
午後6時。店内は静かだがひとはたくさんいた。今日は世界的に有名な人気作家の文庫の上下巻が出る日で、
週刊少年誌のコミックも発売された。私は、入ってすぐのところに新刊が十分に平積みされているのを確かめ、
くずれているところを綺麗に積みなおす。そのまま雑誌のコーナーへ行き、同じく平積みをチェックする。

少なくなった平積みは本棚下の引き出しから在庫を出し、少し古くなったものは棚にならべる。私は、
今年の春、店内勤務から本社勤務になった。それでも現場へ行くのが大好きだ。
(うーん、新しい本のにおい! 私、呼吸してるなぁ!!)
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