策士の優男はどうしても湯田中さんを落としたい
「弟たちって医大の何年生なんですか?」

「2年よ」
「…あと4年もまつんですか?!」

瑠璃は少し苦笑いしながら答えた。

「そう、二人とも医大の2年生なの。国立だから授業は厳しいし、実習も増えてくる時期で……」

祐は目を丸くして、軽く肩をすくめた。

「あと4年も待つのかよ……俺、じっとしてられないかも」

「私も長いなって思うけど、でも今は、弟たちのこと最優先にしたいの」

祐は真剣な表情で瑠璃の手をぎゅっと握った。

「わかった。俺がじっとしてられない分は、これから毎日ちょっとずつ、先輩のこと甘やかすから」

瑠璃は少し照れくさそうに笑いながらも、その言葉に心が温かくなった。

二人の間に、未来を約束する静かな絆が結ばれた。

< 49 / 51 >

この作品をシェア

pagetop