永遠の約束を交わそう
それでも悔しさが込み上げてきて、唇を噛んだ。


「でも…勇さんは怖くないんですか? あんなに爆弾が落ちて…みんな死んじゃうかもしれないのに」


問いかけは、自分の恐怖を吐き出すように途切れ途切れだった。


彼はしばらく黙って、私を見つめた。


「…怖いさ」


低く落ち着いた声で、それでも確かに答える。
 

「俺だって人間だ。死ぬのは怖いし……誰かが目の前で傷つくのも、見たくない」
 

そう言ってから少し間を置き、彼は続けた。
 

「けどな、怖いからって立ち止まってたら、守れるものも守れなくなる」

 

その言葉が心に強く響いた。
 

私と3歳しか違わないのに、ずっと大人で、そしてずっと強い。

 
けれどその強さの裏に「怖さ」を抱えているのだと知った瞬間、彼が急に近く感じられた。
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