永遠の約束を交わそう
私の腕の力に応えることはせず、彼は歩き出した。
 

抱きしめ返さず、背中越しに見える星空と波の音だけが、二人の間に残された。

 

ぎゅっと目を閉じ、涙に濡れた髪を風に揺らしながら、彼の背を見つめながら立ち尽くした。
 

切なさと悲しみと、そしてほんの少しの温もりを胸に、夜は静かに更けていった。
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