永遠の約束を交わそう
自然とあの日から今日までのことが脳裏に蘇る。

 
あの日、美緒を浜辺で見つけ、救護所に連れていったこと。
 

初めは怖くて、怯えた顔をしていた君が、少しずつ笑顔を見せるようになったこと。
 

夜には一緒に浜辺に出て、星を見たこと。
 

砂浜に座り、波の音を聞きながら、互いに言葉少なに並んだ時間。
 

食事のときに交わした何気ない会話、笑い合った瞬間。


それらすべてが、宝物のように胸に残っている。

 
目を閉じ、思い出す。
 

小さな手をそっと握ったこと、君が砂に描いた星の絵を笑って見ていたこと、
 

そして夜空の下で、互いに心を通わせたあの静かな時間。


ペンを握り直すと、涙がひとすじ頬を伝う。
 

静かに、しかし確かに、言葉を紡ぐ。
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