永遠の約束を交わそう
飛行機のエンジンが低く唸る。

 
座席に身を沈め、ヘルメットの下で深く息をつく。
 

外の空気はひんやりしていて、風が翼を揺らすたび、胸がざわついた。

 

目を閉じると、浜辺での美緒の姿が浮かぶ。
 

泣きながら抱きついてきた小さな腕、波に揺れる髪、星を見上げたあの夜。
 

その記憶が、今の俺の胸をぎゅっと締めつける。


「国を守るためだ」
 

自分に言い聞かせても、胸の奥はまだ揺れていた。
 
< 62 / 83 >

この作品をシェア

pagetop