永遠の約束を交わそう
書店の窓から差し込む光が二人を包み込む。
 

まるであの夏の日の浜辺のように。


「よかったら…少し歩きませんか?」
 

彼が控えめに声をかけてくる。
 

「…はい」
 

書店を出ると、夕暮れの街は少し涼しい風が吹いていた。


夏の名残りと秋の気配が混じり合う匂いがして、どこか切なく心地よい。


胸の奥はまだざわめいているのに、足は自然と彼の隣に並んでいた。

 
 
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